Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

死刑制度のある野蛮な国

 欧州を中心に、20世紀のうちに死刑制度を廃止した国は多い。まだ20歳代だったころ、ある国のミステリーを読んでいて「懲役120年」などという判決を見てびっくりした。その本の解説によると、その国には死刑が無くなっていて、どうしてもシャバに出してはいけない(更生不能の)凶悪犯については、実質的な終身刑を課すのだとあった。

 

 その後もミステリーは読み続けていて、上記のような判決や死刑制度がないことに慣れてはきたのだが、現実の日本に死刑制度があるのは当たり前と思っていた。自民党上川陽子議員とは総務副大臣をされていたころ何度か地方創生関連でご一緒したことがあり、きっぱりとした政治姿勢に感服していた。その後上川先生が、法務大臣として多くの死刑執行に対してサインされたことも立派だと思った。

 

 そのころすでに日本では死刑が確定した死刑囚が100名を越えていて、判決確定後6ヵ月以内に執行することになっているので多くの「違法状態」があることになる。しかし法務大臣がしり込みして死刑執行に踏み切らないことで、累積していったものと思われる。

 

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 死刑制度があり、確定したなら法規通り6ヵ月以内に執行が当たり前と思っていた僕だが、欧米に出かけて(普通はデジタル政策の話をしているのだが)ディナーの時などの雑談でリーガルの話になることがある。そうすると「死刑制度があって、しかも本当に執行している日本は野蛮国だ」という意見を聴かされる。

 

 米国では州ごとに法律が違うので、死刑制度がある州もあるが「実際には執行していない」と彼らは言う。21世紀になって、米国ではほとんど死刑の執行はないと言っていた。それが、先日17年ぶりにインディアナ州で執行されたとの報道があった。

 

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020071401213&g=int

 

 トランプ先生の人気取りなのかは分からないが、「凛として死刑も執行するのだ」との意思を見せたかったようには思う。それにしてもこの死刑囚、刑の確定はしていたものの犯行を認めていない。姿勢を示すなら、(某事件の植松死刑囚のように)犯行を認めた人間を選べばよかったのに。

 

 これで米国も「野蛮国」に戻ったわけですが、僕に上記のようなことを言った人たちの意見を聞いてみたいですね。いや、決して嫌味ではなく。