Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

吉野家の株式、高騰

 このところの経営不振で低落傾向が見られた「吉野家HD」の株式だが、この営業日4日間で驚きの回復を見せている。1年前まで順調に推移してきた株価は、昨年5~7月に2,250円の高値を付けていた。ところが人件費の高騰や価格競争の激化で業績が赤字になると、株価も低迷した。

 

 「吉野家」の経営については、多くの評論家が苦言を呈している。例えば他のチェーン店が導入している食券の自動販売機、店員にお金を触らせないことで合理化を図るのが目的。複数のキャッシュレジスタを複数の店員が触ると、なかなか売り上げが合わないものだ。例えば銀行の支店などでは、全部の計算が合うまですべての行員が帰宅できないと言われていた。お金を扱うプロの銀行でさえ、現場の負荷は大きい。

 

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 それでも「吉野家」はお客様との接点にこだわって、今でも自動販売機は実験的にしか導入していない。食事の質としては、他のチェーンを上回ると思っているだけに、株主の僕としては歯がゆい思いだった。ところが今月9日の業績発表で3~5月期は黒字転換を果たしたとの報道があると、翌日から株価がうなぎのぼりである。

 

 9日の終値が1,883円だったのに、16日の終値は2,193円まで上昇した。この間(市場の営業日で4日)の上昇率は16.5%に達する。16日も53円上昇したから、1年前の当面の高値もうかがう勢いである。業績黒字転換の原因は、春に発売した「超特盛」が好評だからと言う。この肉が大盛りの2倍で780円というメニュー、僕などが食べたら1日動けなくなりそうな量だが、若い人中心に人気は高そうだ。

 

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 上の写真は、八重洲地下街に最近できた店舗。昼食時をだいぶ過ぎても行列ができている。それにしても3カ月期間で黒字になったというだけでこの株価高騰、もともとポテンシャルはある企業体だということは市場が知っていたということだろう。それならここまで1年近く株価が低迷しなくても良さそうなものだが、これが市場というものなのかもしれない。

 

 とりあえず株式高騰を祝って、牛丼並盛を注文しましたよ。支払いは、株主優待券(300円相当)と現金80円です。ごちそうさま。