Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

G20も終わったことだし・・・

 経済産業省が明日4日から、テレビやスマートホンの表示部(有機EL)に使用する下記素材の韓国への輸出規制(具体的には審査プロセスを復活させること)を始めると言い出した。

 

 ・フッ化ポリイミド

 ・レジスト(感光剤)

 ・フッ化水素

 

 合わせて関連技術の移転も制限することになる。30年前日本の半導体産業は絶好調、半導体がやや陰っても20年前はディスプレイ産業が前途洋々だった。いずれも今は海外勢の思い切った投資や技術開発力の向上で斜陽産業化していたが、大元の素材産業はまだ十分競争力を持っている。その優位性を盾に、韓国への圧力をかけようということだろう。

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 これまでの日韓関係は悪化の一途をたどっていたが、多くの日本人にとっては一方的に無理難題(慰安婦・徴用工・天皇の謝罪要求等)を突き付けられた印象を持っているだろう。それに対して日本政府はただ手をこまねいていたように見られていたかもしれない。しかしG20の議長役がが終わるやいなや、強烈な反撃に出たということだろうか?そういえば今年のG20も「保護主義との闘い」という文言は宣言中になかった。

 

 まだ全面輸出禁止というわけでもなく、韓国からすれば迂回輸入の可能性もあるし当面在庫もあるだろうからすぐ致命傷ではないだろうが、韓国政府・産業界への衝撃は大きいように思う。G20でも安倍総理と文大統領は握手を交わしただけで、まともな交流はしなかった。近くて遠い国になってしまったと感じていたのだが、すぐにこのような積極手段をとってくるとは思わなかった。おそらく文政権も意表を突かれたのだろう。

 

 もちろん水産物輸入規制問題や、射撃レーダー照射事件も尾をひいているだろう。これまで隠忍自重していたヒーロー側がついに「正義の刃」を抜いたような演出である。僕から見ると、板門店で金委員長と会ったトランプ先生と同じくらいのインパクトを国内に与えたのではなかろうか。

 

 となると、トランプ先生の「政治ショー」はもちろん大統領選挙向けだが、今回の素材輸出規制も、与党の参議院議員選挙向けと疑えなくもない。ちょうどIWC国際捕鯨委員会)からの脱退、商業捕鯨再開というニュースもあった。これは半年前から計画されていたことだが、ちょうど参議院議員選挙の直前にタイミングを合わせていたことも注目されますね。