Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ヴェネチア広場

 ローマ旧市街の中心ってどこだろうと、地図を眺めながら考えた。交通の要衝はホテルのあるテルミニ駅だが、中心からはやや北東に寄っている。大体、多くのプラットフォームや付帯設備(かつては給水設備や石炭庫などもあったはず)を中心市街地に作れるはずがない。洋の東西を問わず中央駅というのは中心市街地からすこし外れたところにならざるを得ない。

 

 じゃあコロッセオかなフォロ・ロマーノかなと考えたのだが、たぶんここだと思ったのが「ヴェネチア広場」。トラム8号線の終点に着くと、広大な広場(巨大なラウンドアバウトに思えた)とそれを睥睨する白亜の建築物がある。これがヴィットリオ・エマヌエレⅡ世記念堂、その屋上からはローマ旧市街全体が見渡せるとガイドブックにある。両翼の屋上に立つ巨大な銅像は、チャリオットに乗った勝利の女神をかたどったものだ。ローマの街歩き中に何度も見かけることになり、方向を示すランドマークにもなった。

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 ヴィットリオ・エマヌエレⅡ世は、18世紀に近世で初めてイタリア全土を統一した英雄だとのこと。うーん、僕の知識は古代ローマ時代終焉からムッソリーニ登場まで、すっぽり空白になっているから存じ上げない。ごめんなさいね。

 

 日差しは強くなってきたが、次から次に現れるスペクタクルな遺跡群を見ながらゆっくりコロッセオの方に歩いて行った。観光バスやタクシーが頻繁に行きかい、観光客が道にあふれている。観光客の人種はまちまち、北欧系の大柄な白人、(この暑いのに)ブルカをかぶった女性たち、団体で騒ぐ北東アジア系・・・その間を縫うように移民らしい男たちが、おもちゃのような日傘や冷えた水のペットボトル、バラの花など売りつけようとしている。

 

 ホテルを出るころには、「コロッセオフォロ・ロマーノの入場券2日券があるね」などと言っていたのだが、これだけ遺跡群を見ているとそんなところに入らなくても十分だと思えてくる。そう、ローマは街ごと遺跡なのだ。暑さがこたえてきたし、ホテルの冷蔵庫に入れておいた「濾過していないモレッティ」が懐かしく思えてきた。ちょうど地下鉄B線コロッセオ駅に来たから、帰りましょうか・・・(軟弱)。