Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

国会のペーパレス化

 先週は2日続けて国交省の会議があった。最初の日は霞ヶ関の合同庁舎で、夕方集合だった。これはある会議の分科会にあたるもので、委員の数も少ない。ただ道路などインフラの将来を議論する会で、重要だと思ってもらったのだろうNo.2クラスの幹部も出席していた。次の日は、その親会。大勢の委員が入れる場所が無かったのか、九段下の駅に近い庁舎で午前中の開催。地図を片手に歩いていくと、初めて見る江戸城の門「清水門」があった。使われている様子は無く、雑草が生えていたのも痛ましい。


 とかく霞ヶ関の会議は資料がぶ厚い。特に国交省分野では、図面や統計表、現場写真などが多いので、通常の説明資料だけの場合に加えて物量が増える傾向にある。経産省などは(軽薄短小指向なのか)デジタル化をいち早く取りいれ、タブレット端末を委員席に並べて資料に替えた会議も増えてきた。

 この夕方の会議は、恐らく国交省で僕が見た初めてのタブレット端末会議である。最初に事務局から、端末操作に関するご説明がある。高齢の委員もおられて、タテにしたりヨコにしたり首をひねっておられる。しかし驚いたのは、やっぱり紙の資料は厳然として机上にあったこと。このあたり、委員の先生方に親切なのかエコ意識が無いだけか判断に迷う。 


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 翌日の会議では傍聴者も大勢いてタブレットは不適と思われたのか、紙の資料だけに戻っていた。例によって「速記者」もメインテーブルに大きなスペースをとって座っているし、会議運営の改善はまだ先のようだ。自民党の若手議員たちが、国会のペーパレス化などを盛込んだ国会改革案を提出したのは去年のこと。民間から大臣になったある人の回想録に、官僚が「ご説明」と称して膨大な資料を置いてゆくという話があったが、永田町もまた書類にあふれた街である。この記事によると、自民党本部でもタブレットによる会議をしたとある。紙資料が併用されたかどうかの記述は無い。


 もちろんこの方向は正しいのだが、問題はスピード。高給を食む国会議員先生なのだからタブレットの使い方などは勉強していただくことにして、早くデジタル化は進めて欲しいものだ。改革はトップダウンでないと進まない面もあって、国会がそうなったら国会の下部に位置づけられる会合もペーパーレスになり、官民のやりとりもそうなっていくように思います。