第二次世界大戦のハイライトは、主としてロシア・ウクライナ・ベラルーシなどの大地で戦われた独ソ戦だろう。多くのAFVが戦場に投入されたが、最終的に土地を占領できるのは歩兵である。その一例を画像に示した。
ソ連軍の指揮官(士気8・指揮修正0)と、2個分隊(火力5・射程2・士気7)が木造建物にいて、ドイツ軍の突撃工兵(火力8・射程3・士気8)と対峙している。突撃工兵分隊は石造建物にいて、支援火器として火炎放射器(火力24・射程1)を持っている。
両軍とも射程が短いのは、短機関銃(サブ・マシンガン)装備だからである。ソ連軍のは、PPh41(その丸型弾倉からマンドリンと呼ばれていた)だろう。農民を十分な訓練もせずに前線に投入するのはあたりまえだったが、彼らにもなんとか扱える武器ではある。まともな訓練をしていないので、射程は2ヘクス(約80m)しかない。
一方、ドイツ軍の訓練は十分である。というより、市街戦のスペシャリストとして訓練はもちろん、装備も優先的に与えられている。短機関銃(シュマイザーMP38あたりか)を装備しているのは、他に火炎放射器や爆薬、各種工具などを持つために、主火器の軽量化を図ったからである。
隣接ヘクスに敵兵がいるというのは、危険な状態である。手榴弾も使えるし、ゲーム上では火力が倍になる。ソ連軍は20火力をぶつけることができる。それでもドイツ軍は石造建物(地形効果+3)に拠っているし、士気が高いので容易に潰走しない。
ドイツ軍は16火力をぶつけられる上に、火炎放射器という切り札を持っている。木造建物の地形効果は+2で、これは突撃工兵の短機関銃や手榴弾からはソ連歩兵を守ってくれる。しかし、火炎放射器は地形効果を無視できるので、24火力をまともに受けないといけない。サイコロの目によっては(無視できない確率で)建物ごと焼けてしまうのだ。
安価な農民兵と、高価な突撃工兵。もちろん後者が優位にあるが、それでも損耗はする。この交換が長引けば、費用対効果という意味でドイツ軍は不利になってゆくのである。