Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ダブル・メジャーのススメ

 続いて「大学改革」の話題をもうひとつ。僕が見ることが出来る範囲が広がってきたからかもしれないが、昔(僕が学生だった40年以上前)に比べて変わったなと思うことがいくつもある。

 ・大学の数が増えた。従って大学教授ら教員もそこで学ぶ学生も増えた。
 ・留学生も増えた。今は理系の大学院だと留学生の方が多い。
 ・大学教授で、企業や霞ヶ関出身など大学以外の経験をした人が増えた。

 僕自身は(成績もたいしたこと無かったのだが)、博士課程まで残って大学教員という道は考えたことがない。修士課程を出たら少なくとも3年は社会人をしようと思っていた。まだミステリー作家になることをあきらめていなかったし、ビジネス界の経験は人生に絶対必要だと感じていたからだ。もう少しネガティブな言い方をすると、大学に残ると道が狭くなっていくように思ったからだ。工学部は「白い巨塔」の医学部ほどではなかろうが、それでも教授を頂点とした小ピラミッドの中、とても狭い世界だ。

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 大学の数、講座の数も増えたであろうに、大学でポストが無くあたら有能な人が不遇のうちに亡くなるという記事があった。「日本思想史」という学問を記事は役に立たない学問と言っているが、これは失礼な話。せめて「それをもってしては生活に十分ではなかった・・・」くらいにしていただきたい。問題として非正規雇用者扱いの非常勤講師の身分が安定していない、保証されないということにあるようだ。

https://bunshun.jp/articles/-/11484 

 これは文系でなくても起きる話。派遣労働者の期限を5年としたために、IPS細胞の研究者が研究が出来なくなったこともあると聞いた。そもそも「研究者」に派遣法を適用するほうが間違っていると思うが。・・・とはいえ制度改善は霞ヶ関にお願いするとしても、大学側で打つ手は無いのかというと「ある」と答えたい。要は優秀な人たちを狭い世界から解放してあげればいいのだ。

 

 何かの研究で一流になれる人なら、少し(20%?)の時間を割いてもうひとつの専門を習得することもできるように思う。ひとつの専門だと1次元だが片方が短くてもふたつあれば専門領域は2次元の面積になる。デジタルの世界では、デジタル×医師、デジタル×弁護士等々ダブルメジャーの人材は引く手あまただ。これからの優秀な学生さんには、2つ目の専門を身につける機会をあげること。これが大学改革へのNINJAの提案です。