Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

僕の「ジョブ型雇用論」(1)

 「COVID-19」感染拡大防止のためのテレワークが大々的に行われるようになる前に、経団連会長が「日本型雇用制度を見直す」と発言しているように、メンバーシップ型からジョブ型への流れは存在していた。「COVID-19」騒ぎはこのほかにも多くの日本の課題(電子行政の遅れ、インバウンド頼りの経済、都市の一極集中・・・)を浮き堀りにして、イノベーション促進のきっかけを作ってくれた。

 

https://diamond.jp/articles/-/247113

 

 しかし「ジョブ型雇用」については、どちらかというとネガティブな意見や報道の方が多いような気がする。上記の記事など、

 

・仕事にあぶれた社員は会社に残れない。

・中高年社員がサービス残業を抱え込んで自滅

・「ジョブ型雇用」は経営者にも社員にも「修羅の道」

 

 と断じて恐怖をあおろうとしているように見える。

 

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 そこで今回からしばらく、僕自身が今の会社の「メンバーシップ型雇用文化」と40年間闘ってきたかをお話しして、僕なりの「ジョブ型雇用論」を紹介してみたい。実は大学院修了の1年前に、進路をどうするか迷った。選択肢は3つある。

 

1)名の通った大手企業、総合電機メーカーのようなものに就職する。

2)Computer Scienceの専門性を最大限生かせる中堅以下の規模の企業に就職する。

3)大学院博士課程に進学する。

 

 すでに一度、修士課程に進学することで2年間モラトリアムしている。この上3年も先送りというのは宜しくないと考えて、最初に3)が消えた。もちろん、博士を名乗れるほど成績がいいわけではなかったが・・・。

 

 大学時代の同級生や付き合いのあった先輩たちは、すでに1年以上社会人を経験している。多くは1)の選択肢を選び、企業のひとつの歯車となって働いている。そんな苦労話はいくつも聞いた。メーカーでなくても行政を含む公的/半公的機関の職に就いても似たような話だ。ごくわずかしかいなかったが、2)を選んだ人たちからは連絡がない。家庭の事情である地域に戻ることになり、大学を訪問することも無いからだろう。

 

 結局、当たり前のように1)を選んで教授推薦を貰った。ただ、誰にも言わなかったが、「中堅企業から大企業には移籍できないが逆は可能、博士課程に行ったつもりで3年大企業というのを見てみよう」と思っていた。そう、最初から愛社精神というのは持ち合わせていない。

 

<続く>