Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

揚げたての「かき揚げ冷やし蕎麦」

 大体1日/週の東京出勤、いつもは朝早く来てなるべく早く帰るのだが、今日はちょっと勝手が違う。夕方イベントの録画撮りがあるので、帰りは遅くなりそうだ・・・とはいえ普通に出勤していたころならこのくらいの「残業」は当たり前だった。このくらいで「遅い」とは情けない。

 

 ゆっくり家を出てきて午前中レポートを少し書いて、午後になって少しお腹がすいてきた。東京駅周辺の人出も確かに増えてはいるが、「昼食難民」のような雰囲気はないのでランチを食べようと腰を上げた。後で聞くと、品川以南の事業所周辺では通常の8割くらいは通勤客が戻ってきているらしい。うーん、日本人は勤勉だ。

 

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 丸の内側のお店は「自粛」の初期に結構通ったので、足は自然と八重洲側に向く。あまり重いものはイベントを控えていて良くないし、そんなにゆっくり八重洲地下を歩き回る時間もない。思い出したのは、八重洲北口すぐの地下街にある「越後そば」。緊急事態宣言時代に一度来たのだが、このエリア全体が閉まっていた。

 

 今日は人通りこそ少ないが、もう閉めているお店はない。安心して食券自販機に向かい、暑さもあって「かき揚げ冷やし蕎麦」(540円)の食券を買う。すると、

 

かき揚げは揚げたてをお持ちします。席でお待ちください」

 

 とのこと。客も席も減っているのに、調理場にはいつも通り2人。手間をかけてもらって申し訳ないなあと思う。僕の後に来た人も、水のカップだけ持って席にやってくる。立ち食い蕎麦のお店としては異例のサービスだ。

 

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 かけ蕎麦を買った客は、カウンターで蕎麦をもらって自分で席へ運んでいる。そのうちに僕の食事が運ばれてきた。以前食べたものとよく似ているのだが、記憶と違うのはかき揚げが熱いこと。冷やし蕎麦にもかかわらず、揚げたての天ぷらはこんなに違うのかと驚いた。隣の客にもじきに「かき揚げ丼ともり蕎麦」が運ばれてきた。

 

 以前もこの店のかき揚げには好印象を持っていたのだが、揚げたてだとそれが一段と感じる。ふのり入りの香りのある蕎麦と一緒に、すぐ食べてしまった。いやこれは感激しましたね。夕方のイベントに向けて、気合が入りましたよ。ごちそうさまでした。

機動歩兵を支えたもの

 1939年9月に始まった第二次欧州大戦は、その年のうちにポーランドを独ソが分割して以降、奇妙な平穏を迎える。次の焦点は明らかに独仏国境とベネルクス三国になるのだが、両軍実質的な戦闘はしなかった。独仏国境にはフランスが巨費を投じて建設したマジノ線という要塞群があり、さしものドイツ軍もこれを簡単に突破することは難しかった。

 

 ドイツ軍は1940年春にベネルクス三国から攻撃を開始、マジノ線を迂回してフランスに攻め込んだ。ある程度予想された攻撃ルートではあったが、英仏連合軍の予想を上回ったのがその進行スピード。快速の戦車を先頭に進撃するのだが、機動歩兵が随伴していたのだ。

 

https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/09/04/060000

 

 装甲・火力・機動力の高い戦車という戦力は、実は単独では脆い。上記の記事で紹介したように、視界が制限された戦車は歩兵の肉薄攻撃で破壊されやすいのだ。そこで歩兵を随伴させるのだが、足で歩く歩兵のスピードで進撃速度が抑えられてしまう。トラックで歩兵を運ぶこともあるが、非装甲のトラックは最前線では危険だ。

 

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 そこで装甲を施したトラック「ハーフトラック」に歩兵を乗せることで「機動歩兵」としたのである。自動車王国ドイツ軍の誇るハーフトラックの代表的なものを見ていこう。右から順に、

 

SPW 250/1

 兵装:対空機関銃(火力3)

 装甲はライフルを止められる程度、これは4車種すべてに共通

 移動速度:18ヘクス/ターン

 歩兵半個分隊を乗車させることができる。

 

 最初に登場したハーフトラック。大砲などを牽引する能力もあった。

 

SPW 251/1

 兵装:対空機関銃(火力3)

 移動速度:18ヘクス/ターン

 1個分隊を乗車させることができる。

 

 より大型化したもので、多くのバリエーションがあり、同軸機関銃(火力7)を装備したものもあった。その火力で敵をけん制している間に乗車歩兵が下車して接近するなどの戦術が可能だった。

 

SPW 250/7

 兵装:81mm迫撃砲、対空機関銃(火力3)

 移動速度:18ヘクス/ターン

 

 SPW 250に対戦車砲、対空機関砲などを搭載し自走砲化したバージョンの一つ。歩兵を乗車させることはできない。目標に近い遮蔽された場所(例:丘の反対側)に素早く布陣し攻撃して、さっと引き揚げる芸当ができた。

 

SPW 251/16

 兵装:火炎放射器(火力24)×2基、対空機関銃(火力3)

 移動速度:16ヘクス/ターン

 

 SPW 251の左右の側面に火炎放射器を付けたもの。強力な対戦車兵器を持たない相手に対しては、接近して容易に丸焼きにすることができた。建物などの遮蔽物があってもその防御効果が無くなるのが火炎放射器なので、道路に乗り入れ両側の建物に籠る敵歩兵を除去するような戦術に使われたのだろう。

専門職ビザ発給停止

 ボルトン暴露本は河野外相によれば「売り切れで手に入らない」そうだが、それでも内容は少しずつ伝えられてきて、トランプ政権のあきれた実態が世界の目にさらされている。ボルトン氏自身も過激な思想・発言で有名な人だし、割り引いて考えるべきなのだろうが、何を聞いても「まあ、ありそうだよね」と思わせるのはトランプ先生の人柄ゆえである。

 

 米朝会談で、合意を取り付けるか、席を蹴って立ち去るか、どちらが大きな記事になるかとスタッフに聞いたというのも、ありそうな話である。暴露本以前から大統領選挙に見通しは暗い、何としても再選をと思う先生はどんなことでもする覚悟だろう。今回一部の就労ビザ発給停止が発表されて、さすがに僕もあきれ返った。

 

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60665740T20C20A6000000/

 

 IT技術者など専門職ビザ(H1B)は、昨年度約19万人に発給されていた。これが今年度は多分入ってこない。今のビザは有効だというが、ビザの有効期間は3~6年。もしこの事態が来年度も続くようなら、期限切れで帰国を余儀なくされる専門職が20万人ほど出るかもしれない。

 

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 これがどのような意味を持つか、重々分かっている大手IT企業などは口をそろえて愚挙だと非難している。僕も仕事柄デジタル関連企業や政策シンクタンク、コンサル会社等との付き合いはある。そこで政策系で出会う人は、白人というかWASP系が多い。しかし技術系となるとWASPはほぼおらず、実に多様な人種に出会う。

 

 もちろんアメリカ生まれの非WASPかもしれないが、相当の比率で外国からの専門職を輸入しているはずだ。彼・彼女らが、ある意味主力と言ってもいい。その主力が、ビザ停止となれば「技術者Welcome!」と言っている国に出て行ってしまうのだ。

 

 選挙のための一時しのぎでこのような政策をとるようでは、政権はほぼ末期である。振り返って日本はというと、これを契機にもっと「技術者Welcome!」というべきだ。働き方改革で「JOB型雇用」を増やし、彼・彼女らを正当に評価(お金もですよ)する体制を整えるべきだ。

 

 もちろん対象は技術者だけではないが、多様な人を組織に入れてマネジメントできないようでは企業はグローバルに発展できない。もって他山の石とすべし、改革すべきは日本企業・・・ですよ。

外交手段としてのサイバー攻撃

 日本での報道は多くないが、米中対立に隠れて豪中対立もより深まっている。オーストラリアは、数年前から中国の南シナ海への進出に警鐘を鳴らしてきた。英国連邦の太平洋国家として毅然とした態度を示しているのだが、当然中国が面白がるはずはない。さまざまな嫌がらせをしてきたという。

 

 今年になって、「COVID-19」関連でオーストラリア政府が中国政府にウイルスの発生源を明らかにするよう求めたこともあって、両国間の溝は深くなった。中国政府は、自国民にオーストラリアへの旅行をしないよう呼び掛けたり、同国からの大麦に関税をかけ、牛肉の輸入を停止している。またオーストラリア国籍を持つ人物に死刑判決を下しもした。

 

 この問題の根は深く、中国はオーストラリアを第二の香港にしようとしているきらいがある。2000年代になって華僑ネットワークなどで同国の政財界に接近、中国企業が港の管理権を買ったり、電力公社の買収を図ったりしている。

 

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 こんな状況下で、今回モリソン首相が発表したのは、政府・公共サービス機関・民間企業などに国家レベルのサイバー攻撃が繰り返されているということだった。名指しこそしていないものの、事実上中国政府の関与を念頭においているものと思われる。

 

https://www.bbc.com/japanese/53103131

 

 オーストラリアは南半球で数少ない先進国のひとつで広大(世界6位)な国土を持つが、人口は2,500万人あまりと多くない。太平洋を南から扼する位置にあり、中国の世界制覇のためには重要な国だ。すでにその北のパプアニューギニアソロモン諸島などの国は、ある意味支配力を得ているので、旧帝国軍のように「米豪遮断作戦」にでてきたわけだ。

 

 今世紀に入ってゆっくり進めてきた政財界への浸透に加え、とうとうキバを剥いて圧力をかけてきたのだろう。これには2つ見方があって、

 

・「COVID-19」を早期に終息させ他国に混乱に乗じての攻勢か

・経済や香港問題で内政がもたず、政権の延命のための突破口探しか

 

 意見が分かれているが、最悪の事態を考えると前者とみておいた方がよかろう。それにしてもサイバー攻撃が外交手段(圧力)として使われるとは困ったものです。日本の政府・公共サービス機関・民間企業も、「国家レベルの攻撃」に備える必要がありますね。

ボルトン暴露本、文政権に飛び火

 奴隷解放記念日を1日外して最初の大統領選挙キャンペーンに打って出たトランプ先生だが、100万人集めると豪語した集会場には空席が目立ち正直落胆しているだろうと思う。TikTokアプリからの大量の偽予約が入っていて、これで「満席」と思っていたとの報道もある。ツィッターで「Fake News!」と言いまくったあげくに、自分もWebに騙されたのなら因果応報というべきか。

 

 かつての腹心ボルトン氏の暴露本も、イライラの種に違いない。何しろ全米一の強硬派として知られ、自らのファイト姿勢を強めるために雇ったのだが、結果として「飼い犬に手をかまれた」格好だ。トランプ先生に非常に近いところにいたので、政権の裏ネタは十分ご存じだろう。裁判所に出版差し止めを申し立てたのだが、それも却下。ボルトン流の毒舌が、世界中に広まることになる。

 

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 その爆弾エピソードのひとつが、韓国文大統領の米朝会談前の仕掛け。文大統領が「南北会談の結果、金正恩委員長が1年以内の非核化に合意した」とトランプ先生に告げたというもの。もしそうなら自分が「ノーベル平和賞」を貰えるかもしれないと思ったトランプ先生、米朝会談に前のめりになったとしても不思議はない。ボルトン暴露本は南北会談を、「オリーブの枝を加えたハトは飛び廻るが、実質的に内容のないDMZ祭り」と酷評している。

 

https://japanese.joins.com/JArticle/267285

 

 米国内の反応はともかく、これで米朝間で「いいとこどり」をしてきた文大統領の二枚舌戦術はかなり濃厚になった。そういう意味では北のお嬢様がキレて毒舌を吐きまくっているのは、当然の反応なのかもしれない。文政権の支持率はこのところジリ貧、さらに北からの圧力が加わるようになると「慰安婦財団」どころの騒ぎではなくなるかもしれない。半島情勢は、そろそろ和平の限界に達したような気がする。

 

 暴露本では、安倍総理がトランプ先生に「金委員長を信用してはいけない」とアドバイスしたとも言っている。ごくまっとうな政治行動なのだが、なぜか安倍政権の支持率もジリ貧です。さて、どうなりますかね?