Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ようやく普通の「演習」になった

 ウクライナ戦争、ガザ紛争、ミャンマースーダンの内戦、台湾海峡南シナ海での緊張など、国際情勢は緊迫している。すでにWWⅢの入り口だという人もいて、各国が軍備を増強している。福祉国家として知られるデンマークが、女性にも徴兵制を敷いて「これからは福祉より国防」とのスタンスを取り始めた。

 

 WWⅡ後、長く眠りについていた「日本軍」も、その流れの中で変わりつつある。かつては「平時の官庁」だった防衛省では、シビリアンコントロールを歪曲した現場無視の政策が横行(*1)していた。

 

 平成の名称と呼ばれる人たちが集い、10の提言をしていた(*2)。

 

    

 

・日米首脳会談で核問題を取り上げよ

・国の安全保障に科学技術予算を活用せよ

・国防の不可欠な機能として防衛産業を位置づけ、育成・活用戦略を策定せよ

自衛隊の軍令系の将を格上げして大将とせよ

 

 などである。そのうちのいくつかは進展し始めている。そして先月、恒例の「富士総合火力演習」が行われたが、見物客を入れず実戦に即したものになったという。

 

総合火力演習、専門性高め開催 ライブ配信中止、募集には活用―陸自:時事ドットコム (jiji.com)

 

 戦わない軍隊としては、市民の認知度向上が第一目標。派手に大砲を撃ち、戦車が走り回るショーとしての演習だった。それが今回はドローンやオスプレイも参加、全貌は公開せず、のちにダイジェスト版の映像をメディアに提供することになっている。

 

 これを見て「いよいよ日本も戦争か」と不安に思う人もいるだろうが、あるべき方向に動き出したと胸をなでおろしている人もいる。どちらも間違っているわけではないが、俗に「転ばぬ先の杖」ともいう。軍隊なら少なくとも、戦えるようになっていて欲しいと、僕は思うのですが。

 

*1:シビリアンコントロールの37年 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

*2:闘えるようにするには - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)