Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

私人逮捕とおとり捜査

 SNSなどでコンテンツ配信をすると、視聴の具合によっては収入が得られる・・・このことは知識として知ってはいた。昨年になって、僕が使っている<はてなブログ>では、グループやランキング、さらには有料コンテンツの設定が可能になった。このアクセス数では収益には至らないが、過激なコンテンツでアクセス数を稼ぐ人たちがいるのも分からなくはない。しかし、犯罪を(ある意味)励起させ、私人でも現行犯なら逮捕できる法規を使って逮捕シーンを動画投稿するのは、やりすぎだと思う。

 

 この種の代表的な者が<私人逮捕系YouTuber:ガッツCH>。昨年、覚せい剤を一緒に使おうと持ち掛け、持ってきたところを逮捕する「おとり捜査」まがいのことをして、自らも逮捕された。容疑は、犯罪教唆。

 

"私人逮捕系"ユーチューバーまた逮捕、一般人は「おとり捜査」 をしてよいのか? - 弁護士ドットコム (bengo4.com)

 

    

 

 僕は、「私人逮捕は、他に犯罪や逃走を防ぐ適当な手段がないとき」に限られると(法の規定ではないが)思っているので仮に現行犯逮捕の機会があったとしても、警察など公私を問わず治安のプロに通報して任せるつもり。それを教唆までして「犯罪を犯させる」にいたっては言語道断で、覚せい剤を持ってきた容疑者の刑期分も上乗せして収監してほしいと思う。

 

 ただ、この記事で気になったのは、日本でのおとり捜査の実態。弁護士先生は警察に認められた手法としているが、ここに引用された判例が古いことで、ほとんど今の日本の警察は使っていないことがわかる。そこまでしなくても治安が維持できているからだが、これがサイバー空間だとちょっと話が違う。数年前にFBIが1.5年内定して麻薬・テロ集団を根こそぎ捕まえたことがあり、明確なおとり捜査だった(*1)。

 

 先日危機管理が専門の教授と話していて「先進国で日本だけおとり捜査が(ほとんど)使えない」との認識で一致しました。「サイバー空間でおとり捜査」はリアル空間よりは広めに、司法で考えてほしいものです。

 

*1:これは「予防」か「反撃」か? - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)