Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

大きな政府か、それとも・・・

 自民党総裁選に立候補した菅官房長官が、NHKのインタビューで(総裁になったら)どんな国づくりをしたいかと問われ、

 

「自助・共助・公助の国づくり」

 

 と応えた。これに対して、「ずっこけた」とか「国の責任逃れ」というような反響・非難が浴びせられている。

 

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f50e017c5b6578026ca39ca

 

 の記事では、「自分を自分で守れなければ切り捨てられても仕方ないという、新自由主義的発想」と批判する人もいた。ただこの言葉は自民党の綱領(2011年改訂)に書かれている通りのものなので、菅候補個人を批判しても仕方がないとも書いている。

 

 これを読んで、僕が思ったのは「あ、自民党って昔は小さな政府を目指す政党だったのだ」ということ。かつての55年体制では、小さな政府の自民党大きな政府社会党、もっと大きな政府共産党が存在していた。ソ連に代表される共産主義政権では、「市民の自由は束縛するけれども、政府丸抱えで衣食住には不自由させない」という国家運営をしていた。これが維持できなくなってソ連は崩壊する。

 

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 日本でも(共産党はともかく)社会党は没落、自民党すら「中道」と言われる公明党の意向もあって、徐々に大きな政府を目指す政策を採るようになった。現在の立憲民主党はその対抗上でもないが、より大きな政府を目指しているように思う。そう、もう僕ら有権者の選択肢はかつての「小さな政府か、大きな政府か」ではなく、「大きな政府か、より大きな政府か」になっているのだ。

 

 これを是としない政治家もいるのだが、これをストレートに打ち出すと選挙で生き残れない。選挙の洗礼を受けない論客は、これを堂々と主張できる。ある作家先生などは、やや過激すぎる発言をして「右翼」のレッテルを貼られている。政府の重要な会議の常連の先生は、責任もあるのでやや抑えめだが正当な主張をされる。ただ副業で派遣会社の会長も務めておられるので、

 

 「改革と称して非正規を増やし、派遣企業に利する悪者」

 

 扱いされたりする。今回自民党綱領にあるとはいえ、小さな政府を標榜するようなフレーズを強調した菅総裁候補には、大きすぎる政府を是正するように舵を切ってもらいたいと期待しています。