Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

Cold Caseに挑むオンラインフォーラム

 「紀州ドン・ファン事件」に続いて「茨城一家殺傷事件」でも容疑者が逮捕されたが、いずれも直接証拠があるかどうかわからず、公判維持はどうなるのか(裁判員になる可能性もないのに)僕は勝手に悩んでいる。世界でも優秀な実績を誇る日本の警察機構だが、それでも未解決事件は多い。例えば「三億円事件」や「世田谷一家殺害事件」などだ。

 

 これらを「Cold Case」といい、専属の捜査班を設けている国もあるし、彼らの活躍を描いたTVドラマも見たことがある。捜査班は当然プロフェッショナルなのだが、ミステリーの中には素人探偵がこれにあたる物語もある。中学生時代から50年以上ミステリーの世界に浸ってきた僕としては、興味を惹かれる話だ。

 

 それが今回、素人探偵がオンラインフォーラムに集い、真相に迫る活動をしているとの記事があった。

 

素人なのに難事件を解決する「アマチュア探偵」って、どこで何してる人? | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)

 

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 このフォーラムサイト「ウェブスルース」は、1999年の「ジョンベネ事件」をきっかけに生まれたという。現在18万5,000人以上の素人探偵が登録していて、そのうち6割が女性である。ある意味長屋のおばさんたちの噂話の場が、非常に大きくなったようなものかもしれない。探偵たちは主にオープンソースにあたり、手がかりをつかもううとする。サイトの運営者は「自分たちは事件解決をするものではない」と謙遜するが、実際に官憲を動かして容疑者逮捕をさせることもある。まあ20万人近い「ミス・マープル」か「シャーロック・ホームズ」が、目を光らせているようなものだ。

 

 この記事にもあるが、課題としては冤罪を作り出したり無垢の個人を追い詰めてしまいかねないことだ。フェイクニュースという言葉に代表されるように、ソーシャルメディアには誤情報が入りやすく、また拡散能力については従来メディアとはケタ外れである。掴んだ手掛かりが本当に正しいものかどうか、チェックする機能が必要だ。

 

 僕自身も間違った情報で論説を書きそうになったこともあり、オリジナルにあたる必要性を痛感している。

 

オリジナルにあたる歴史研究 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 いかにも21世紀型の「素人探偵団」の活動です。できれば僕も参加したいですね。