Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

横浜"Rose Week"(2)

 フランス領事館の遺構のあたりはちょっとした広場になっていて、保育園の児童たちが走り回って遊んでいた。一方で電動車いすが停めてあって、展望台の方からゆっくり歩いてくる老人と付き添いの女性がいた。雨上がりの公園は市民の憩いの場所ということだ。写真を撮っていると、4人の中高年男性がリュック姿で現れ、展望台の方に歩いて行った。まるでちょっとした登山である。

 

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 展望台からは(公園の名の通り)ミナト横浜が見渡せる。手前の高速道路から山下ふ頭の「ガンダム・ファクトリー」、本牧ふ頭・大黒ふ頭とそれを結ぶ横浜ベイ・ブリッジまで。ただ正直人工構造物ばかりで、海の風景とはいえない。展望台を降りると、そこに「ガーデンベア」が待っていてくれた。

 

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 この頭にお花の帽子をかぶった熊さんのオブジェは、横浜の街を「花と緑でつなぐガーデンネックレス横浜」のマスコットキャラクラター。方々にいるらしく、横浜市役所では熊さんとツーショットが撮れるスタジオもあると聞いた。

 

 熊さんに挨拶をして奥へ行くと、そこが「沈床花壇」。中央に噴水があり、ツルバラに覆われた小道が通っていてベンチもある。ちなみにバラの木の下で話したことは秘密にするという決まりがあって、「サブ・ローザ」は昔からの諜報用語である。

 

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 5月末ということで、バラの一番の見ごろは終わっていたのだが、非常に手入れの行き届いた花壇を十分堪能できた。見ごろでないのが、観光客が密になりすぎないので逆に良かったかもしれない。ゆっくり花壇を巡ることができる。

 

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 花壇の先には「大佛次郎記念館」もあるが、今回は用はない。花壇の右手に「イングリッシュローズの庭」があるから、そちらに足を向ける。そこもバラだけでなく、多くの花が咲いていて、大型のハチや小鳥が飛び交っている。カメラをもって歩き回っている観光客だけでなく、シートや折り畳み椅子を使って座り込んでいる人も多い。その多くはスケッチをしている。

 

 「どこかの公園だと、座り込んでお酒呑んでいるのに、ここは芸術。この街は民度が違うわね」

 

 と家内が言う。確かに、このような文化は市民全体で創り上げるもの。その成果たる「公園」がここにある。

 

<続く>