Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

アッピア街道の古い教会

 明日は帰国便に乗るという、実質的な最終日。少しエクスカーションしようと、アッピア街道沿いの古い教会を見に行くことにした。使途ペテロがローマを脱出しようとして現れたキリストに「主よ何処へ?」と問いかけられたという伝説のところ。キリストの啓示によってペテロはローマへ引き返し刑死する。その啓示の言葉がそのまま教会の名前になって、「ドミネ・クォ・ヴァディス教会」と呼ばれている。

 

 さて行き方が問題だ。トラムも地下鉄も付近を走っていない。118番のバスが便利のようで、結局チルコ・マッシモ駅で地下鉄からバスに乗り換えることにした。118番バスはアッピア街道方面への有力な公共交通、バス停の向こうにはカラカラ浴場が見える。カラカラ帝の作った「浴場」はアッピア街道の入り口にある。

 

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 アッピア街道の歴史は紀元前312年にさかのぼる。当時の執政官(共和制だったのやね!)がナポリ方面への基幹道路として敷設したものだ。その後、長靴のカカトにあたるブリンディッシという港町まで延長されている。45分ほど待ってバスに乗り、カラカラ浴場を右手に見アルデアティーナ門から旧市街を出た。黒い石畳は当時からのものなのだろう、現代の大型バスからみると狭いでこぼこの道だ。そこをバスの運転手はかなりの速さで駆け抜ける。振動はひどく、乗客は振り回された。

 

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 15分余り乗って、街道が2つに分かれるところまできた。ここに立っているのがその「ドミネ・クォ・ヴァディス教会」。もちろん異教徒なので礼拝しようというわけではないが、歴史の一コマを見ることができて良かった。ただ前の道をひっきりなしに車が行きかい、かなりのスピードを出しているので歩行者には危ない。周辺には古い技術関係の博物館や公園、園芸店などがあったのでそれらを見学した後、市街に引き揚げることにした。

 

 日が高くなって道路は渋滞が始まっている。バスはいつになったら来るかわからないし、思ったより近かったとはいえ歩いて帰るのは危ない。地図を見ると少し先の抜け道を通れば、「EATALY」の方面に抜けられる。それじゃ、散歩ついでに食材店にでも寄って帰りましょうか。