Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

2019 Next Cyber TAIWAN

 5月20日と21日の2日間、南港展覧館の一角で「2019 Next Cyber TAIWAN」が開催された。機会があって僕と同僚が参加したのだが、聴衆のほとんどは台湾の人。そこに何人かの欧米人がいて、ほとんどはオランダの政府・企業の関係者だった。

 

 彼らが言うには、「東アジアのハブは台湾である。欧州のハブはオランダだ。この両国(地域)は、エリアの中央に位置しているだけでなく、面積や人口・産業規模などが近い。我々が結び付きを強化して、お互いに東アジア市場・欧州市場で飛躍しよう」とのこと。実はオランダの団体は日本でも(台湾以上に)攻勢をかけていて、昨年は幕張のイベントでも僕は彼らに会っている。

 

    f:id:nicky-akira:20190523183714j:plain

 

 「Dutch Account」がワリカンの語源だというが、なるほどこいつらは商売上手である。マジメが取りえのドイツ人、ワインで舞い上がったフランス人、アモーレ命のイタリア人などはオランダ人に食い物にされているのだろう。

 

 このイベントの実質的な主催は台湾工業技術研究院、台湾政府経済部(日本でいえば経済産業省)直下の国営研究機関だ。この機関の組長という人があいさつに立ち、スピーカーが一人30~50分ほど話をする形である。参加者は200名くらいになったろう。ランチタイムは、伝統の丸テーブルに赤いクロスをかけたところでいただく。ここでのあいさつは経済部代表の偉そうな人(たぶん大臣)がした。

 

    f:id:nicky-akira:20190523184945j:plain

 

 隣の席に最初のプレゼンをした世界経済フォーラム(WEF)の人がいたので、少し話しをした。まだ40歳くらい、外見は中国人だが、北京語はカタコトレベルだという。専門は人工知能モントリオールの大学教授だが今はWEFの仕事がほとんどだという。研究の話はともかく、どういう生い立ちかと聞くと生々しい答え。

 

 ・30年前、天安門事件で両親が北京にいられなくなり、香港に移った。

 ・20年前、香港返還を前に両親は移住先にカナダを選んだ。

 

 小柄でニコニコ笑っている彼を見ていると、中国人の遺伝子って本当にしぶといと思う。ランチの後、展示ブースにも足を向けてみた。ほとんどは台湾のスタートアップ企業で、売り物は単体のサイバーセキュリティ技術・製品である。オランダが売り込んでくるものも単体売りの傾向はあるのだが、どちらもせめてソリューションの形にしないと役に立たないと思う。講演もほとんどは技術的なことでしたし、もう一皮むける必要があるようですね。