Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

近江町市場が進化していた

 金沢には、結婚前に一度来たことがある。その時も<近江町市場>は有名な観光スポットだった。しかし当時はコンドミニアムというものを知らなかったので、お土産を買うだけで終わっていた。家内はこの市場は初めて。キッチンで腕を振るいたいのだが、半完成品があまりにおいしそうで結局は買ってきたものを並べてつまみとすることになった。

 

 かつての記憶からは、ずいぶん広がった印象。百万石通り沿いに5階建てのビルも建っていた。地下から2階までは、市場の一部として料理店などが占めている。

 

    

 

 各店舗も含めて、奇麗になってわかりやすい看板も出ている。やはりインバウンド需要は狙い目のようで、他の観光地よりも外国人比率は高い。とはいっても、京都の錦市場のようなオーバーツーリズムは感じない。

 

中央部の<大口水産>で買い物する人たち

 金沢旅行にあたり、TVの旅行番組で予習をしておいた。この<大口水産>は、ロケ現場でもあった。今は時期が外れるが岩ガキ、能登ガキのほか、高級魚ノドグロ、越前ガニ、ゴリ、能登牛などが詰め込まれた売り場である。家内は「ここは、キノコと明太子が安い」という。いろいろ迷った末、僕は小さなノドグロの焼き物とカニ面(香箱カニの殻に身を詰めたもの)を買った。

 

    

 

 家内は、お土産にする佃煮とあおさを買って満足している。それでは全国共通ICカードが使えないバスに乗って、コンドミニアムに帰るとしよう。いかにも金沢らしいおつまみに合わせるのは、オーストラリアのリースリング立山吟醸酒。いずれも美味しかったことを書いて、帰り支度を始めることにする。

 

 今回は京都に似た風情の街、金沢の偵察行でした。夫婦そろって気に入ったので、また来ることになります。今度はもう少し広いキッチンと広いダイニングテーブル、畳と座卓じゃなくてイスとテーブルがいいなどと言い合いながら、翌朝のための荷造りをしました。

 

香林坊での外食ディナー

 せっかく北陸一の繁華街<香林坊>に泊まっているのだからと、2日外食に出かけた。<せせらぎ通り>を南へ、用水路と別れてからも進む。もうすぐ片町エリアというところに、最初のお店があった。このあたりを木倉町といい、京都の木屋町に似た風情がある。香林坊の店は和食が多めだが、この路地は多国籍料理。

 

木倉町バル<ランプ>

 雰囲気はスペインバルだが、日本海の幸も十分に味わえるとあって、選んだもの。まず生ビールで乾杯し、白ワインをボトルで注文した。

 

アミューズと生ハム

 生ハムはいまいち、固すぎて喰いきれない。もう少し刻んでくれればいいのだが。ワインはまずまずだったし、アミューズはいけるのだがちょっと残念。

 

揚げ物盛り合わせ

 こちらも賛否両論、手前の鳥皮の唐揚げと、奥の手羽先の唐揚げはあまりおいしくない。ただしエビクリームコロッケは美味しかった。クリームコロッケは金沢発祥との説があるが、それを信じたくなる。まあ美味しすぎないので、飲みすぎないで帰宅できた。

 

たかじの外観

 次の日は、ワインの飲める焼き鳥屋ということで、「せせらぎ通り」を見下ろす店、たかじに入った。なかなかに風情のある店で、一番手前のカウンターに案内され、串焼き盛り合わせ・のどぐろ串・銀鱈の柚子味噌焼き・シシャモ・軟骨揚げを注文。

 

日本酒とワイン

 家内はシャルドネをグラスで、僕は「菊姫先一杯純米酒」を注文。ひとつひとつに仕事がしてあって、ささみにワサビなど味付けも細やかな配慮がある。締めにぼんじり串・せせり串を注文して、日本酒(加賀鳶)をもう1杯追加した。お酒やつまみはもちろんだが、店内には黒電話や柱時計がオブジェとして飾ってあって雰囲気がいい。

 

 カウンターの向こう側から焼き鳥を焼いている親父さんが「どこから来たの」などと話しかけてくれる。この店はさすがだと思いました。やっぱり香林坊は和食・居酒屋がお勧めかもしれませんね。

 

金沢の古い街並み

 金沢は<加賀百万石>前田家の本拠。京都が公家の街なら、ここは武家の街だ。とはいえ前田公は徳川幕府の取りつぶし工作を恐れ、武道・武芸・軍備ではなく民芸に注力(カネを使うこと)して叛意のないことを示した。またWWⅡの戦火を免れたことで、江戸時代の粋な街並みが焼けずに残っている。今回の旅の目的のひとつは、この古い街並みを散策すること。

 

 日本海に注ぐ、犀川浅野川の間が、金沢城中核エリア。ここに茶屋町・料亭街が3箇所ある。浅野川大橋を挟んで東側に<ひがし茶屋町>、西側に<主計町料亭街>があるので、まずはそこを目指した。

 

ひがし茶屋町のメインストリート

 造り酒屋や金箔工芸の店、スイーツ店などが古式ゆかしい風情のまま並び立っている。テーマパークではなく江戸時代の建物などをそのまま使ったリノベーションだ。ここで、武家も町民も一緒に遊んだのだろうと思うと、タイムマシンに乗ったような気分になる。

 

浅野川沿い、主計町の料亭・料理旅館

 こちらは<主計町>。川沿いにこれもレトロな料亭・料理旅館が並んでいる。1棟まるごと貸しますという表示もあった。いずれも有名な観光地だが、午前中ということもあって、オーバーツーリズムの気配はない。

 

長町武家屋敷跡の路地

 そして午後、これはコンドミニアムにも近い<長町武家屋敷跡>。古い街並みは同じなのだが、こちらは住居なので道は狭い。クランクもあるのは、敵軍は攻めてきたときに、見通しよくまっすぐ進撃できないようにしてあるから。ここが芸事にカネを使っているとはいえ、武士の街の特徴。京都のように分かりやすい碁盤の目構造ではない。今は九谷焼など工芸の体験、直売店舗が多い印象。ここは外国人観光客が多く、英語じゃなくフランス語やイタリア語などがよく聞こえた。

 

 市内電車や地下鉄はないので、市内交通はバス頼り。百万石通りにはひっきりなしに、何種類かのバスが巡ってくる。なんと一番多い<北陸バス>ではSuicaなど全国版ICカードが使えない。ちょっと戸惑った。

 

 普通に歩いているだけで、いい気分になれる街ばかりです。また多分リピートして旅行に来るだろうと思いましたよ。

 

用水沿いの町屋をリノベして

 初めての金沢旅行、往路は所要4.5時間。いつも京都などへ行くときの<ひかり号>で名古屋まで、ここで後続列車に乗り換え米原着。米原からは懐かしい在来線特急<しらざぎ号>。敦賀駅で開通したばかりの北陸新幹線<つるぎ号>に初乗車、金沢に向かう。

 

 雨の多い北陸地方、やはり小雨が降る中、タクシーに乗って10分あまりでコンドミニアムについた。有名な繁華街である<香林坊>の金沢駅より、用水沿いの町屋をリノベーションした1部屋35㎡ほどの<KIKI Hotel>というコンドミニアムだ。

 

<KIKI Hotel>の外観

 金沢市内には無数の用水路がある。多くは地下に埋設されているのだが、ここでは地表に出ている。この通りの多くの家や店は、固有の橋を渡って道路と往来するのだ。メインストリートである<百万石通り*1>から1本奥に入った路地(*2)なので、閑静なところである。

 

 大通り沿いにある大和百貨店や東急スクエアまでは徒歩5分。有名な近江町市場も徒歩圏だ。小雨の中を見て回って、すごく便利なところだと思った。大和百貨店の「デパ地下」では、チーズやワインも立派なものを売っていて、ウチ呑みも期待できそう。一方、大通りを外れて路地の方を歩くと、魅力的な飲食店が軒を連ねていた。

 

香林坊の飲食店街

 能登牛や岩ガキ、ノドグロ、加賀野菜などこの地方ならではの食材が豊富なのが、金沢の飲食店街の特徴。イタリアンも韓国焼肉も中華料理もあるが、やはり多いのは和食店/居酒屋。まだ明るいPM5時過ぎから、数人のグループは店の中に吸い込まれていく。

 

 小さなコンドミニアムだが、コンパクトなキッチンは使い勝手がよさそう。琉球畳が4.5畳敷かれているリビングも居心地がいい。とはいえ、北陸地方最大の繁華街<香林坊>で暮らしていて、ウチ呑みですか~?と問われているように思う。

 

 さて4泊しかありませんが、ウチ呑み・ソト呑み?どうしましょうかね?

 

*1:旧北国街道

*2:通称「せせらぎ通り」

熱海発・熱海行きの一筆書き切符

 北陸新幹線敦賀まで延伸して、さて京都・大阪とどうつなごうかの議論になっている。東海道新幹線で一番近い駅は米原、寂しい駅だが従来名古屋発金沢行きの特急はここを通っていた(*1)。オリジナルプランは小浜経由京都へ入るもの。距離が長くなるだけではなく、深くトンネルを掘り進めることになる大工事だ。加えて京都の売り物の一つ豊富な地下水を貯めている岩盤に、穴をあけてしまうのではとの危惧もある。

 

 だから僕は米原ルートを勧める(*2)のだが、まずは自分の目で見てみようという気になった。今月の旅行は、北陸応援キャンペーンで金沢への4泊5日。旧武家屋敷に近いところに、コンドミニアムを見つけて予約をした。さて、往復のルートはと考えたのだが、羽田~小松のフライトの時刻があまり思わしくない。

 

        

 

 ならば、と往復新幹線にした。そして、買ってきたのがこの切符。乗車券は熱海発熱海行き。経由は米原敦賀・金沢・東京。経由地欄がプリントしきれず、終着熱海は手書きとなった。最長一筆書き切符(*3)にはとても及ばないが、新幹線周遊旅行である。

 

 在来線特急しらさぎ号と、敦賀~金沢の新幹線つるぎ号は全車指定席、帰りの新幹線はくたか号は自由席車両が少ないので、指定席にした。「指定席≒不自由席」と思っている僕にとってはやむを得ざる措置である。まあ、飛行機なら自由席じゃないしね・・・と自分を慰めることにした。

 

 さて、明朝はいよいよ出発です。楽しみにしていますよ~。

 

*1:高山線経由の特急が金沢まで運行していたことはある

*2:北陸新幹線の延伸問題 - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

*3:広尾発枕崎行き、13,000余キロ - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)