Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

Conrad Istanbul Bosporus

 いつもの慣れた羽田空港国際線ターミナルから、フランクフルト行きの青い日系航空会社便に乗った。12時間ほどのフライトで、フランクフルト空港に着く。「ああ、ここで降りられたらな」と思うのだが、今回はそうはいかない。乗り継いで向かう先は、トルコのイスタンブール。お気に入りのルフトハンザのラウンジで、お気に入りのお坊さんビールを呑んでも、気分は晴れない。

 

 3時間あまり待って、トルコ航空便に乗る。すでに飛行機の中で「文明の十字路」を実感させるダイバーシティぶりである。雑多な人種が乗り込み、雑多な言葉が飛び交う。フライト時間は3時間あまり、現地に着いたのは23時を回っていた。迎えのリムジンでホテルに運んでもらい、荷物を開いてベッドに入ったのが午前2時に近かった。

 

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 目的の会議はこのホテル、「Conrad Istanbul Bosporus」で行われる。着いたときは暗くてよくわからなかったのだが、7時ころ起きて朝食会場に行くと開けた大きな窓からボスポラス海峡を見ることができる。トルコは一大農業国であり、朝食バイキングにも多くの野菜、果物、穀物が並んでいる。なかでもオリーブの種類の多さには驚いた。

 

 日本人がほとんどと聞いた大きな会議なので、朝食会場は日本人ばかり。知り合いを一人見つけ、少し話しをした。彼はこのあたり(中近東)に詳しく、赴任していた時期もあるという。「世界三大料理って、中国・フランスと、もう一つはトルコなんだよ」という。トルコ料理にはドイツに通っていたころから親しんでいるものの、ケバブが印象に残っているくらい。三大料理とは思えない。

 

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 オムレツを焼いてもらって、オリーブ、チーズやハムと食べた。まだ眠いのだが、会議は8時半から始まる。ちゃんとスーツにネクタイだと言われているのもおっくうだ。まあ全部空調の効いたホテル内でのイベントだし、外気も酷暑の東京よりはずっと涼しい(30度くらい)のが救いだが。

 

 それでは会場に入りますかね。2日間の辛抱ですから・・・。

当面の敵・・・だけかもね

 トランプ先生の中国叩きには、それなりの理由がある。5Gの普及が進んでその機器がファーウェイのものだとなれば、全世界の情報がファーウェイの元へ・・・ファーウェイは中国企業なので「国会情報法」によってファーウェイに集まった情報は国家が見ることができる。かつてソ連崩壊後のロシアで、中国製の電気ポットを輸入禁止にしたことがあると識者はいう。電気ポットに盗聴器が仕掛けられていたというのがその理由。

 

 これがデジタル上で世界中にできてしまうというのが、米国の主張だ。中国としては公式には反論していないが、同じことを米国もしてきただろう、アナログ時代の「エシュロン」、デジタル時代になっての「プリズム」の所業は、スノーデン証言でも明らかだろうと思っている。自分がやって何が悪いのか・・・。「情報を制するもの世界を制す」というのは、現代ではより重みを増した言葉だ。情報覇権は世界覇権、GDP1位2位の両国が争うことは当たり前の話だろう。

 

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 ところが今回トランプ先生がツィッターに、「我々にとっての問題は中国ではない。FRBが問題だ」と書いたことで、世界中に驚きが広がっている。国家間競争に勝ち抜くためには、まず国内の融合・融和が大事だ。にもかかわらず国内に爆弾を投げたのには別の理由がある。銃乱射事件の対応など巡って、先生の支持基盤が揺らぎ始めているのだ。トランプ先生にとっては、来年の大統領選挙に勝って再選されることが最重要課題である。もし落選したなら、ロシア疑惑などが戻ってきて収監される可能性も無視できない。いまは、大統領を訴追することへの抵抗感が強いだけなのだから。

 

 再選のためには景気向上がどうしても必要だから、FRBに利下げをさせて景気浮揚を図りたいのだ。米国の景気は悪くないにもかかわらず、先日利下げに踏み切ったパウエル議長は、十分トランプ先生の意向を忖度したと思う。でも先生はそれでは不十分なのだ。結果として、彼の当面の敵は中国習大人ではなく、FRBパウエル議長になった。

 

 正直こんなに利己的・刹那的で、世界のリーダー国の指導者がいいのかとは思うのだが、民衆が選んだのだから部外者が文句は言うまい。しかしこのままだと、世界秩序は崩壊しそうな気がします。来年の大統領選挙、世界がかたずをのんで見守っているわけですね。

2032年のオリンピック

 2020年の東京に続いて、2024年パリ、2028年ロサンゼルスのオリンピック/パラリンピックが開催されることが決まっている。2大会同時決定というのは異例の措置だったが、もうその他に名乗り出る都市がなくなったのが背景と言われている。今回2都市のうちどちらかを2024年に選んだら、落選した側が2028年大会にもう立候補してくれない可能性をIOCは危惧したのだろう。やる気のあるうちに決めてしまえ、ということではないか。

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 東京大会の準備でももめているように、開催には多額の費用がかかる。開催できるだけの規模を持った各都市も、総じて財政事情は厳しい。費用負担に耐えられるのか、都市の経営者たちは苦慮するのだろう。では、2032年以降はどうなるのだろうか?
 
 多額の費用を要しても、IOCを含め開催都市の採算が合ってきたのは、これも多額のスポンサー収入などがあったから。メディアが支払う放映権料は、天文学的数字だとも言われている。スポンサー料は企業が広告宣伝費で落とすだろうし、それは結局誰が支払うかというと世界中の視聴者・消費者である。
 
 TVの視聴者数が発展途上国まで広がっている時代に、このモデルは大きく成長した。しかし世界中に行き渡ってしまった感がある上に、インターネット上のTVではないメディアで視聴する人たちも増えてきて、旧来メディアの基盤がゆらいでいる。2032年のオリンピック/パラリンピックは、このままの拡張モデルで実現できそうな気はしない。選択肢は3つあるように思う。
 
(1)4年に一度とはいえ、このように総合的なスポーツの祭典は必要なのだろうか?個別に開催されるワールドカップを分野毎に増やせばいいのではないだろうか、と考えて終了させる。
(2)新しいメディアにシフトすることにして、放映権をネット企業にのみ与える。これらの企業はインターネットによる新宣伝戦術を駆使するだろうから、新しいビジネスモデルが成り立つかもしれない。
(3)近代オリピックの発祥点にもどり、商業化されたものではない純粋に競技のためのコストカットしたイベントに変える。開催地は、もう一度アテネがいいだろう。
 
 NINJAの提案ですが、IOCさんはどうお考えでしょうか?

ワンコインランチ(築地活鮮市場)

 よくランチに出かける丸の内北口ガード下だが、まだ入ったことのない店もいくつかある。そのうちのひとつ「築地活鮮市場」は、海鮮に特徴のある居酒屋らしい。今は居酒屋に入ることもなくなったし、ましてや職場の近くの居酒屋など誰に遭遇するかわからないので入ることはほとんど考えられない。

 

 ではランチならというと、お刺身や魚の煮つけなど美味しそうな定食はあるのだがなかなか高価で入りづらい。それでも、月曜日限定で500円になるメニューがある。それが「温タマカレー」、温泉卵ののったカレーライスである。この日は偶然月曜日、いつか入ってみようと思っていたので意を決してノレンをくぐった。
 
 昼時を少し過ぎていたせいか、お客さんはまばら。中央の大きなテーブルは、おひとり様用だろう。周辺には2人席や4人席がいくつか、全部で30人くらいのキャパだろう。大きなテーブルの一角に座って、ワンコインランチを注文した。壁にかかっているメニュー表など、ちょっと高級な居酒屋の雰囲気である。
 
 先に大きなテーブルでご飯をかきこんでいる若い男は、海鮮丼の類を食べている。サラダとみそ汁もついた、立派な「海鮮丼セット」だ。待つことしばし、運ばれてきたのがこれ。ちゃんとポテトとコールスローのサラダとみそ汁が付いてきた。曜日限定のワンコインランチでも手抜きはないようでうれしい。カレーとサラダの組み合わせは、昔から大好きだ。

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 まずサラダを食べ、カレーを一口。さほど辛くない、「CoCo壱番屋」の基準でプレーン(0カラ)くらいだが、滋味深い味である。みそ汁はちょっと薄めの、たぶん合わせみそ。貝の具が入っていた。今度は温泉卵にとりかかり、その半熟部分を少しずつカレーに混ぜながら食べてみた。味の変化が面白い。
 
 これで500円ならお得ですね。味を覚えてもらって、夜に来てもらおうということかもしれません。うーん、美味しいけどここのロケーションでは居酒屋として使うのは難しいですね。せめて今度は、海鮮のランチでも食べに来ますか・・・いつか。

放送と通信の融合(公共放送編)

 どういう事情なのか分からないが、「情報通信法学研究会」の案内がやってきた。こういう会合があることも知らなかったのだが、れっきとした総務省の外郭団体「情報通信政策研究所(NICT)」主催の研究会なのだそうだ。情報通信政策に関わる内外の動向を調査し、主に法学の見地から政策の方向性を検討するのが目的という。研究会の葉4つの分科会、

 

 ・データ法分科会

 ・通信法分科会

 ・メディア法分科会

 ・新領域分科会

 

 がある。今回案内が来たのは、メディア法分科会で議題は「ドイツにおける公共放送のオンライン・コンテンツと法規制」だった。放送と通信の融合ということが言われ始めて20年近く、ようやくそれが普通のことになってきて諸制度がついてきていないのは事実だ。「N国党」のスクランブル放送にして見たくない人からは視聴料を取るなという主張もあるが、TVコンテンツをインターネットで同時配信すればTVはモニターとして使ってコンテンツはインターネット(&PC)で見る人も増えるだろう。これに関しては、旧ブログでコメントしたこともある。

 

https://nicky-akira.hatenadiary.com/entry/2019/06/09/140000

 

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 その時話題となっていた、スマートホンやPCを受像機だとして視聴料対象にするというのも無茶な話。だから公共放送がコンテンツをインターネット配信するには、何らかの制限がかかるはずだ。今回の議題では、ドイツが公共放送にどのような制約を課しているかを聞いて国内の方向性の一助にしようというものらしい。

 

 ドイツでは受像機(PCではなくTV・ビデオ等)の購入時に必須の形で公共放送契約が付いてくるようで、日本のNHK料の未納が20%近いのに比べて未納は10%もないというのが特徴。公共放送(ARDやZDF)は、国営ではないから税金は投入されていないが、広告が頼りの民間放送よりは財政的優位性があるので、民業圧迫は戒められている。そこで、ドイツの規定では、オンライン・コンテンツ配信をしていいかどうかの判断を「評議会」が三段階でテストする手法をとっている。

 

 第一段階:公共放送が行うべき業務であるか。

 第二段階:質的な編集上の競争に寄与するか。

   (要は民業との健全な競争かということ)

 第三段階:費用規模の適正性や財政的透明性があるか。

 

 これはイギリスでも似た手法らしく、今後のNHK改革論に大きく関わってくるように思う。写真はその日総務省1階ロビーで出会ったロボット警備員さん。何かの実証実験だろうが、総務省もちょっとは遊びごごろが出てきましたかね。