Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

2032年のオリンピック

 2020年の東京に続いて、2024年パリ、2028年ロサンゼルスのオリンピック/パラリンピックが開催されることが決まっている。2大会同時決定というのは異例の措置だったが、もうその他に名乗り出る都市がなくなったのが背景と言われている。今回2都市のうちどちらかを2024年に選んだら、落選した側が2028年大会にもう立候補してくれない可能性をIOCは危惧したのだろう。やる気のあるうちに決めてしまえ、ということではないか。

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 東京大会の準備でももめているように、開催には多額の費用がかかる。開催できるだけの規模を持った各都市も、総じて財政事情は厳しい。費用負担に耐えられるのか、都市の経営者たちは苦慮するのだろう。では、2032年以降はどうなるのだろうか?
 
 多額の費用を要しても、IOCを含め開催都市の採算が合ってきたのは、これも多額のスポンサー収入などがあったから。メディアが支払う放映権料は、天文学的数字だとも言われている。スポンサー料は企業が広告宣伝費で落とすだろうし、それは結局誰が支払うかというと世界中の視聴者・消費者である。
 
 TVの視聴者数が発展途上国まで広がっている時代に、このモデルは大きく成長した。しかし世界中に行き渡ってしまった感がある上に、インターネット上のTVではないメディアで視聴する人たちも増えてきて、旧来メディアの基盤がゆらいでいる。2032年のオリンピック/パラリンピックは、このままの拡張モデルで実現できそうな気はしない。選択肢は3つあるように思う。
 
(1)4年に一度とはいえ、このように総合的なスポーツの祭典は必要なのだろうか?個別に開催されるワールドカップを分野毎に増やせばいいのではないだろうか、と考えて終了させる。
(2)新しいメディアにシフトすることにして、放映権をネット企業にのみ与える。これらの企業はインターネットによる新宣伝戦術を駆使するだろうから、新しいビジネスモデルが成り立つかもしれない。
(3)近代オリピックの発祥点にもどり、商業化されたものではない純粋に競技のためのコストカットしたイベントに変える。開催地は、もう一度アテネがいいだろう。
 
 NINJAの提案ですが、IOCさんはどうお考えでしょうか?