滞在初日のエクスカーションは、太宰府天満宮参詣とした。沖縄方面の台風のせいか、温かい空気が九州地方に入ってきて日本中で一番熱いのが日田と福岡という状況。それでも一度は、菅原道真公に挨拶しに行かなくてはならない。意を決して出かけることにした。４ヵ月ほど前に京都で「菅原院天満宮神社」に詣でて（*1）、お札をいただいたことがある。その時から、機会あれば本家の太宰府天満宮を詣でたいと思っていたのだ。
博多駅から直行バスもあるようだが、最寄りの西鉄太宰府駅から行くことにした。まずは徒歩10分ほどの、西鉄天神駅に行く。僕にとっては、名前は知っているが乗車したことのない鉄道会社。その幹線の始発駅である。三越のビルの２階部分がプラットフォームになっていて、ちょうど特急列車に乗れた。二日市駅で乗り換え、単線上を揺られて太宰府駅へ。プラットフォーム上に梅の幕がかかっていて、荘重な雰囲気。
それを打ち壊しているのが、周りに構わずカメラを構え、記念撮影をし、大声で呼び合っている中国人観光客。少なくとも彼らにとっては、猛暑など関係ないようだ。こちら初老の夫婦は、建物の影を選んで歩いてゆき、なんとか本殿近くまでたどり着いた。
残念なことに、本殿は３年間の修復期間中。それでも仮殿では祝詞のような声が響いている。家内安全、こんな旅行を長く続けられますようにと菅原道真公にお願いして、早々に引き揚げることにした。
実は、菅原道真公の命日が、僕らの結婚記念日。参道の土産物屋では、受験必勝・学問成就のグッズが多く売られているが、もう僕らには関係がない。とにかく家内安全が第一。空港からのタクシー運転手さんが「名物で美味しいですよ」と言ってくれた梅ヶ枝餅も、焼いているところは見たけれど結局買わなかった。
天神駅まで戻ってきて、駅前のビックカメラでお酒を買いました。祈願は祈願として、甘いお餅よりこの夫婦の場合はやっぱりお酒ですよね。
