Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

オリンピックという負荷

 TOKYO2020が1年遅れの開催だったことから、次のパリ五輪がもう来年に迫っている。フランス含めて欧州全体でインフレがひどく、年金改革への反対もあってストライキやデモが頻発している。加えて洪水・干ばつなどの、気候変動によると思われる災害も増えている。市民の暮らしは厳しくなるばかりで、その苦しさは日本の比ではない。

 

 そんなパリで、あと1年ほどでオリンピック/パラリンピックが開催される。TOKYOの例でもわかるように、大きなカネが動き開催地の政府や都市の負担(要は市民の税金)も大きい。そんな負担のひとつとして、こんな記事があった。

 

汚水流れるセーヌ川、五輪会場にできるのか? 浄化に2千億円超 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

    

 

 写真は2018年に訪れた、パリのセーヌ川のほとり。見た目は優雅だが、確かに汚染は進んでいたように思う。それを来年までに遊泳可能とするように、フランスは14億ユーロを投じるとこの記事にある。ただでさえカネに詰まっているマクロン政権に、このような支出が可能かどうかは不透明だ。結果として遊泳可能になったとしても、それは来年の夏だけのことになってしまうような気もする。

 

 もう10年近く前のことだが、TOKYO2020が決まった時、土木学会の重鎮の先生が、

 

お茶の水近辺のお堀の汚染がひどい

・マラソンがそこで行われ、男女往復で4回世界に放映されてしまう

・政府、五輪委員会は資金を拠出して、お堀端の改修をすべし

 

 とおっしゃっていた。結局マラソン競技は暑さ対策で北海道に会場を移転したのだが、お堀の改修は少しは進んだ。JR御茶ノ水駅~市ヶ谷駅あたりを通りかかると、工事をしている様が見える。五輪はきっかけになったのかもしれない。

 

 セーヌ川の改修もやるべきとは思うのですが、浄化より前に(家庭排水も含めて)汚染源の除去を先行すべきではないでしょうか。オリンピックとは無関係に。