Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

かなりチャレンジングなお話

 先月IOCのバッハ会長が来日して、来年の東京オリンピックパラリンピックの実施に向けての打ち合わせや記者会見を行った。欧米はじめ日本でもこのところ「COVID-19」感染拡大が続いていて本当に大丈夫かとも思わせるのだが、一方で複数の製薬会社がワクチンの開発が大詰めに来ているとの報道もあり、観客を絞ったり競技を制限すれば実施できるのではという気もする。

 

 ただ今回日経紙に載った記事は、外国からの大量の観客を招くというものだった。控えめに言っても「かなりチャレンジングなお話」、人によっては「狂気の沙汰」とも言いかねない見出しだったので詳しく読んでみた。

 

五輪、外国人客を大規模に 感染対策 アプリ活用: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

 GoogleAppleが先鞭をつけた「接触確認アプリ」は、多くの人が持っているスマートフォンの位置情報を使い、後に「COVID-19」を発症した人が過去に誰と近いところにいたかを探り出すもの。日本で運用されている「COCOA」は、プライバシーに配慮しGPS情報は使わず、相互のスマートフォンBluetooth通信機能を使って「近接した」記録を残すというもの。位置情報などが本来の目的を超えて使える可能性を意識している。

 

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 来日する外国人観客にこのアプリを適用するというのはいいのだが、それ以外には、

 

・パスポート、顔写真、陰性証明書などをアプリに登録

・体温など日々の情報をアプリに記録

・ホテルや飲食店の利用はスマートフォンQRコードを読み取らせて記録

・競技会場には、顔写真確認とアプリの提示を条件に

 

 というだけで、ワクチンの接種や2週間の隔離は求めないという。来日観光客の移動の自由を重視して、公共交通機関の利用にも制限はない。記事は「移動の自由と感染対策の両立」というが、正直不安。

 

 背景には、海外向けの観戦チケットを100万枚ほど売ってしまっていることがあろう。バッハ会長来日時も、種々の対策のために追加の費用が発生することも話題になった。追加分をどの機関が補填するのかも、定まっていない。なんとしても観客を増やしてお金を回収したいのだろう。

 

 いくら先立つものはカネとはいえ、来夏で「COVID-19」感染拡大が収まっているかどうかわかりません。僕らはオリンピック時期には、どこかに疎開しましょう。そうそう、札幌もマラソンやるからだめですね。