Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

教育の場か、プロへの登竜門か

 「COVID-19」禍の中でも、今年は各種イベントはおおむね正常に行われそうだ。野球ファンにとっては、プロ野球のキャンプインからオープン戦、そしてペナントレースへと期待は高まる。そして高校野球の春のイベント「センバツ」も、楽しみのひとつだろう。地区予選を地道に戦う夏の大会と違い、選ばれるチームは秋の大会の成績などから高野連が選ぶ。

 

 今年はその選抜方法に、少し疑念が湧いている。東海地区で決勝まで進んだ聖隷クリストファー(静岡)が落選し、ベスト4止まりだった大垣日大(岐阜)が選ばれたのだ。もう一つの枠は決勝で聖隷に勝った日大三島(静岡)だった。これにはプロ野球選手も含めて、異論が相次いだ。高野連の「言い訳」もはっきりしない。すると、このような記事が出た。

 

"本音"を隠す高野連…出場が確実視された聖隷クリストファー「センバツ落選の"本当の理由"」 高野連は球児たちに真実を説明せよ | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

 大会準々決勝で本命の中京(愛知)と戦った聖隷は、最終回逆転で大物喰いをしたのだが、そのイニングに疑惑の行為があったという。具体的には故意に走塁妨害を取りに行ったというもの。試合後監督の発言にその種の練習をしていたことを思わせる内容があり、これに高野連がカチンときたということらしい。

 

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 一流の選手たちにとってはプロへの登竜門でもある高校野球大会だが、高野連にとってはあくまで教育の場。勝ち負けではなく、正しいスポーツマンを育てるという目的にそぐわない行為と見えたのかもしれない。

 

 ずいぶん昔、夏の大会で見たシーンを思い出した。愛知代表享栄高校は勝ち進んでいた。超高校級左腕近藤投手を擁していたからだ。しかし部員が宿舎で喫煙したのではとの疑惑があり、その部員を外して13名で臨んだ次の試合、近藤投手は苦戦する。明らかなストライクをボールと判定されて調子を崩し、チームも敗れた。僕の目には「審判がどうしても享栄を勝たせない意志を持っている」と映った。

 

 近藤投手の実力は翌年プロ1年目にジャイアンツ相手に「初登板・ノーヒットノーラン」を挙げたことでも明らかだ。故障に泣いてプロ生活は短かった近藤投手は、今回岐阜の大学で監督に就任するという。高校野球は教育の場かプロへの登竜門か?議論の分かれるところだと、改めて思いました。