Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

台北の行天宮

 今年も台北に行ってみた。3月だともう暖かいし、1~2カ月先取りしたような気候が魅力的だ。例によって滞在は「グロリア・レジデンス」。とてもいいアパルトマンで、松山空港からタクシーで10分強で到着する。ただ、地下鉄を使うとなるとちょっと悩ましい。台北駅の北東のブロックの中心にあるのだが、このブロックは西が赤のライン、南が緑のライン、北と東は黄色のラインに囲まれている。便利なように見えるのだが、アパルトマンから全ての駅まで徒歩10分以上はかかる。

 
 一番よく使うのは赤のライン、次に緑のラインだから、北や東へ行くことは少ない。ブロックの中で北東の角には「行天宮」という名所があって、徒歩圏にもかかわらず一度も行けていなかった。「行天宮」は台北関帝廟である。言わずと知れた三国志の英雄「関羽」を祀ったものだ。
 
 長いあごひげと青龍刀がトレードマークのこの武将、一騎当千のつわもので数々の武勲を立てた。三国(魏・呉・蜀)のうちもっとも劣勢な蜀を立ち上げた功労者でもある。ただ最後は奸計にかかり、養子の関平とともに斬られた。真義に厚い武将として神格化されて、一介の武将なのに「関帝」と呼ばれるようになった。
 
 アパルトマンから街並みを見ながらゆっくり歩いて15分あまり、大通りの交差点の向こうに「行天宮」が見えてきた。龍や鳳などの飾りをつけた門をくぐって、大きな廟の内側に入る。午前中から多くの観光客や参拝客がつめかけ、膝まづいてお祈りをしている。僕らのような「異教徒」にも、参拝の仕方がわかるガイドが立札になっていた。

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 廟の奥に長いあごひげの人像があった。横浜中華街の関帝廟に行ったことはあるのだが、こちらのほうがやっぱり立派だね。実態は腕力便りの「暴れ者」だったとの説もあるのだが、今やビジネスの神様。とりあえず僕のビジネスにも力を貸してもらえるよう、お祈りはしましたよ。
 
<初出:2018.3>