Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

広島の世界経済人会議(前編)

 広島空港に着いたのは、定刻通りの940。ただこの空港は、都市の中心部まで相当遠いことで有名な空港だ。リムジンバスを待つ長い列に並びしばらく待って乗り込んだが、満員で僕の隣には恐ろしく太った白人の男が乗り込んできた。スマホで見ていると

 

 JR芸備線が1年3カ月ぶりに全線開通したというニュースがあった。それを認識させたのは、バスの車窓からは何度も砂防ダムが埋まっていたり、流木が放置されていたり、土嚢が積まれているところが見える。山岳地の災害復旧は、このように時間がかかるものだと思い知らされた。

 

 広島駅に着いた後は、「ヒロデン」と呼ばれる市内電車に乗って国際会議場へ向かった。元安川の中州にある会議場周辺は、原爆の爆心地に近く数々のメモリアルが建っているところでもある。「袋町」の電停を降りて、あとは歩いて行った。

 

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 会議の名称は、「2019国際平和のための世界経済人会議」という。なぜ「平和」とは縁遠い戦争ヲタクの僕がやってきたかと言うと、今回から「情報空間の安全保障」というセッションが加わったから。要するにサイバーセキュリティをこういう場でも論じようとの風潮が高まっていて、それはいいことだと思う。しかし全体のテーマは「国際平和」だし「持続可能な開発目標(SDG's)」なのに、サイバーセキュリティの話がどう絡むのか難しいところである。

 

 基調講演はティルマン・ラフ氏、「核兵器廃絶国際キャンペーンICAN)」の創設者で2017年にノーベル平和賞を受賞した人らしい。僕などはインターネット・ドメイン管理の団体「 Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)」と間違えてしまって、大変失礼した。

 

 ほかに何人もの有名人がトークを行い、最初のセッションでは「文化交流による平和構築」が議論された。モデレータ役の女性は自らのユーゴスラビア内戦での経験を語り、「異民族同士が個別の教育をしているのは良くない。初等中等教育のころから民族交流をしないと平和の素地ができない」と訴えていた。

 

 これは全く正しくて会議全体の流れにも合っているのだが、さて次のセッション「情報空間の安全保障によるガバナンスの保持」は一体どうなるのだろうか?これには、メディアの人がモデレータとして、リスクの専門家・産業界の人・セキュリティの専門事業家が登場する。

 

<続く>