Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ハムラビ法典:ネットにはネットを

 外食チェーンのバックヤードなどで不衛生だったり不適切な動画を撮ってネットに流す、いわゆる「バイトテロ」はあとを絶たない。人件費をぎりぎりまで削減するために、現場はアルバイト任せになりブラック化するところも少なくないと見られる。以前「なか卯」で朝食を食べたとき、まるで戦場のような調理場の状況を見てうなってしまった。

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 有識者によると、特に若い人たちに不安や不満が渦巻いていてそれがこういう事件や児童虐待(DV)などにつながっているとのこと。不満・不安の原因は、結局のところ経済的な格差問題である。めちゃくちゃ大変な仕事をさせられているのに、お給料はこれっぽっち。ろくに働きもしない(ように見える)正社員は、高価な服を着て美食の店に通っている。やってらんねーよ、ということで不適切動画・・・という次第。

 今年被害にあった「大戸屋」の場合はすばやく「犯人」を特定、3名の従業員を解雇した上法的措置(損害賠償請求)も検討していると発表した。これまでにない毅然とした措置には敬意を表するが、ちょっと気になることもある。

 これまでにも似たようなことはあったらしいが、今度の事件どこからともなく「バイトテロリスト」の素性がネット上に流れてしまったようだ。拡散するインスタグラム動画と同様に、この手の情報が流れてしまえば回収はありえない。今回の「犯人たち」が一時のバイアスの掛かった思い(勢いともいう)でやったことが、彼らに一生付いて回るかもしれない。

 まさかとは思うが、不適切動画で被害を被った方がハムラビ法典に則って「目には目を、歯に歯を、ネットにはネットを」と復讐したわけではないだろうね。あるいは泣き寝入りだった企業に代わって、「晴らせぬ恨み晴らします」という「ネット上の仕掛人」でもいるのでしょうか。