Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

旭橋駅前「あさひ」

 会議が終わり、仲間たちと食事をしようかという話になった。3人で行くことになり、土地に詳しい人に店を予約してもらった。僕は安里駅前、ひとりは久茂地、もう一人は赤嶺駅前のホテル。簡単に集まれるところということで、選んだお店は<ゆいレール旭橋駅前の居酒屋「あさひ」。

 

 一旦ホテルにチェックインしてシャワーでも浴び、着替えて集合するのは午後6時。まだ陽が残るうちに現地に着いた。案内してくれる人によれば「時々ランチに寄りますよ。地元の総菜が美味いです」とのこと。ある人は「この3年で、仕事関係の飲み会は初めてです」と仰る。精々、呑んでいただきたいものだ。

 

    

 

 つまみには定番のものとして、何を呑むかの相談。

 

・まずは生ビール、オリオンのジョッキを1杯ずつ

・本格的には泡盛、僕のお勧め「菊の露VIPゴールド」をボトルで

 

 にした。まずやってきたのは、冷奴。これが沖縄の前菜、固めで味が濃い。さらに、海ぶどう、島らっきょう、ゴーヤの炒め物と続く。

 

        

 

 ビールが空いて、泡盛になる。これは氷を入れた水割りでいただく。僭越ながら、僕がバーテンダーを努める。やや濃い目の氷多めという僕の好みで、皆さんにサーブ。以前から仕事上での付き合いのある人たちだが、じっくりプライベートなことまで話し合うのは初めてだ。

 

・へえ、そんなお仕事だったんですか?

・いや、それは苦労されましたね

 

 などと言い合っているうちに、頼んでおいたお刺身の盛り合わせがやってきた。

 

    

 

 キビナゴだろうか、小さな青魚の切り身が光っている。これで3人前、マグロもタイも肉厚である。スダチを絞っていただいた。沖縄ではいい魚が食べられないと思っていたが、ちゃんとした店を選べばそんなことはないようだ。お刺身がなくなったところで、泡盛のボトルも空いた。ちょうどいい量だったと思う。

 

 いい店を紹介してもらいました。個人旅行で来た時にも、また寄ってみたいと思います。

おもろまち新都心

 サイバーセキュリティの意見交換会での地域訪問、今回は沖縄である。午後2時からの会合だが、その日は帰れないので宿泊予定。朝も早くて、結局始発の新幹線で出かけることに。札幌同様プレミアムクラスに乗りたかったが、満席でNG。それどころか修学旅行生が一杯乗ってきて、一般席も満席である。

 

    

 

 3年ぶりの那覇空港に着いたのがお昼前、気温は23度。コートが恨めしい、いや恥ずかしい。会場である合同庁舎はおもろまち新都心にあるという。地図で見ると<ゆいレール>の、美栄橋・牧志・安里・おもろまち各駅から等距離にある。

 

 牧志駅で降りて、緩い坂を登っていった。とても暑い。先月の札幌とは30度ほどの気温差があり、日本列島の長さを痛感する。会場について式次第を見ると、参加者が少ない。特に民間の人が誰もいない。

 

        

 

 いつものように訪問の目的を説明し先方の事例紹介などを聞くのだが、どうも反応が鈍い。他の委員も含めていろいろ水を向けるのだが、なかなかいい返事が聞けない。総じて考えると「ここは沖縄や、本土から来てぐちゃぐちゃ言うな」という雰囲気である。一番積極的だったのは、県警の人。警察としてはサイバー犯罪防止のため、企業を巡って啓発活動に務めているという。その担当官は「私は中途採用です。県内のサイバー犯罪撲滅のために、県内の警察組織のネットワークを作り教育もしました。現地警察で対処できない場合、ウチに連絡が来ます」と言う。

 

    

 

 僕が「警察庁にサイバー局が出来て、何か助けてくれるか」と聞くと、「サイバー局は政策組織。関東に専門組織が出来ていて、実務的にはそこから支援が貰えるようになった」と応えた。産業政策、通信事業政策はともかく、市民(含む零細企業)の安全を守る活動があるのは理解できた。

 

 でも、他の地域ほどの協力体制は見えなかったですね。やっぱり中央とは距離がある地域なのでしょうか。

さいたま新都心は初訪問

 先月から参加しているサイバーセキュリティの地方巡礼、この日は「関東経産局」である。最寄り駅はと聞くと「さいたま新都心」との回答。実は、全く土地勘がない。大宮とか高崎というなら、新幹線も停まるし通過したこともあるのだが。

 

 会議は午後から。午前中都内で別件を済ませ、新橋駅近くの「松のや」でブランチとした。選んだのは「味噌ロースかつ定食」690円なり。各チェーン店が普通に提供してくれているから、首都圏でも珍しくなくなり<名古屋メシ>のイメージはもうない。

 

    

 

 ただ、首都圏の味噌はちょっと甘すぎるような気もする。もっと塩辛いのが「八丁味噌」だったと舌が記憶している。そんなことを考えながら、目的地までの所要時間をスマホで見る。上野東京ラインで30分ほどで着くようだ。東京起点だと、東海道線で横浜くらいの距離感だろうか。

 

    

 

 初めて降りるさいたま新都心駅、なかなか立派な駅舎で付近もしっかり整備されている。この駅に直結して地方局の合同庁舎がある。早めに会議室に入り、長野県・千葉県・茨城県からの説明者を迎える。

 

 座長は「この場はチャタムハウスルール、議事録概要は残すが、誰がどう言ったかは口外しない」と宣言した。地域のセキュリティコミュニティ活動について、何が欠けているのか、中央からの支援の問題点は何か、本音を言ってもらうには必要なルールだ。3県の人達からは、

 

・国の支援と県や基礎自治体の支援が整合していない、補完関係にもない

・地域団体(これ本当にいろんな種類がある)が持ち出しで推進し、継続が困難

・サイバーセキュリティだけの独立した活動では、普及は無理

 

 との意見が飛んだ。総じて小規模な企業では、経営者が必要性を感じていないという。うーん、大企業だって10年前にはそうだったよね。識者からは「砂地に水を撒いている徒労感もあるかもしれないが、10年は撒き続けないと成果は分からない」との意見も出ました。砂地の上にも10年ということでしょうかね。

独眼竜公のおひざ元で

 ところどころ高速道路の工事はあったものの車は順調に流れて、東北経済産業局には予定より10分ばかり早く着いた。昼食時間がとれないかもと、念のため用意してもらったお弁当をいただく。1,080円なり。

 

    

 

 ホテルの朝食はこのエリアの名産品が目立ったが、お弁当そのものはとんがってはいない。鶏胸肉の焼き物がメイン、「くわ焼き」風かな。普通に美味しくいただいて、今日の会合の下打ち合わせ。今回は宮城県福島県の5団体が参加してくれているが、北海道同様、経産局・総通局・県警が事務局的な役割を果たしている団体がほとんど。

 

 純粋に民間だけで運営している団体もいるようだが、行政局の紹介だとリストに上らないのかもしれない。今回の相棒はその辺りが詳しくて、地域によってはライオンズクラブなどが中核になっているケースもあるという。

 

 この人とは蔵王越え往復の車内でも、いろいろな話をした。九州・北海道など中央から遠い(距離だけじゃなく)ところで、地場に根差した活動を長くしている人だ。この会合の初期の頃「霞ヶ関や大手町の理屈で考えるな」と僕を叱った人でもある。

 

 サイバーセキュリティなどという辛気臭い物を進めるには、地方では「ヒト・モノ・カネ」が足りないと言われるのは当然。ただ若い人たちの間には「面白いからやってみよう。上司や会社は邪魔しないで」という機運もあるようだ。現場の技術者ももちろん足りないのだが、もっと足りないのは経営者の意識だという。これも北海道と同じ意見。意識が芽生えれば、中央行政からの支援策もいくらかはある。

 

    

 

 そんな意見交換をしているうちに2時間はあっという間に過ぎ、駅までの道すがら地元ベンダーをもう1件訪問。ここでも話し込んでいるうちに、予定の列車には乗れなくなった。仙台駅でぶらぶらしていて見つけたのは、戦国末期の英雄伊達政宗公の像。なかなか凛々しいですね。この地の人達の克己心を表しているようです。また来ますよ。

蔵王連峰を越えて

 サイバーセキュリティ対策の地方巡礼、第二回目は仙台市。仙台の合同庁舎での2時間の会議だけではもったいないということで、前後に予定を入れてもらった。午前中山形市のセキュリティベンダー、会議後に仙台市内のベンダーを訪問できる。僕が困ったのは朝の集合時間。蔵王連峰を越えて往復するので、830には仙台駅を出たいと事務局は言う。熱海駅の始発新幹線に乗っても、仙台駅着は930ころ。仕方がないので前泊することにした。

 

    

 

 日曜の午後だが、早めに家を出て久しぶりに東北新幹線に乗り、夕方には仙台駅に着いた。折から寒波が来ているのだが、札幌ほどは寒くない。駅南口近くの<ワシントンホテル>に宿泊、街をちょっと歩いたくらいで禁酒ディナーを食べ、早々に眠った。

 

    

 

 翌朝は曇天、ホテルの朝食は結構豪華だ。笹かまぼこや金華鯖、ワカメなどを盛り付けた。左上のとんぶりをまぶした長芋が美味い。右下は味噌汁ではなく、白川温麺のあんかけ。鮭の炊き込みご飯ともども、お腹一杯食べた。

 

    

 

 仙台駅で地域政策に詳しい相棒と経産局の人と待ち合わせ、局の車で山形へ向かう。学生時代に東北旅行をして「仙山線」に何度か乗った。そのルートを高速道路で行く。途中で休憩したサービスエリアは、雪の中。蔵王連峰を抜けて、山形市までは1時間ちょっと。

 

 県庁に近いところにそのベンダーの本社があり、設備を見学しサービスの説明を受けた。社長さんの「発達障害を持つ人にそれなりの環境を用意して、就労してもらう」という取り組みは立派だと思う。「セキュリティって何のこと?」と言うような中小企業オーナーに、安い価格でサービスを提供する苦労話にもリアリティがあった。

 

 小さな企業では専門家はもちろん、セキュリティ担当も置けない。「仕方がないから俺が担当だ」というオーナーもいるらしい。なるほど、なるほどと聞いているうちに予定の時間になり、お礼を言って再び車で蔵王連峰を越えました。