Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

引き続き英語の試練

 ニューオータニでの会議を終え、丸の内のオフィスに戻って簡単な報告を書いた。数ヵ月前から準備された「日米IED」は進行表がきちんと決められていて、僕の出番は2回。いずれもスライドや原稿はすでに日米両政府の事務方に渡っているし、他の登壇者もそうなので(時間が伸びた以外は)順調に進んだ。

 

 登壇者の名前を見るだけで、なにを話すかはおおむね予想できる。とはいえスライドも使わないで抑揚なく、早口の英語で話し続けられると、戸惑ってしまう事もあった。もちろん同時通訳レシーバーはあるのだが、結局知見のない分野「グリーン✖ICT」の発表の時しか使わなかった。

 

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 というのは、なるべく英語に耳を慣らしておく必要があったから。丸の内北口ガード下の「なか卯」で久しぶりのワンコインランチ(かき揚げ丼セット)を食べる間も、今夜あるもうひとつの国際会議が気になっていた。桜エビの入ったかき揚げのお味はまずまずだったが、鶏のから揚げとスープを付けたローコストランチである。諸物価値上がりの中、各チェーン工夫をしているようだ。

 

 そうそう、僕も今夜は工夫をしないといけない。ある国際団体のイベントの収録をオンラインですることになっているのだが、全く初対面の米国人・英国人と一緒のパネルディスカッションで、モデレータはドイツ人だという。

 

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 テーマはサプライチェーン・サイバーセキュリティ。それと登壇者だけが決まっていて、何が起きるのかを教えてもらっていない。最初に3名のパネリストが話すので、それ用のスライドは用意してある。しかしその後50分の、ぶっつけ本番ディスカッションに耐えられるだろうか?暗い気分で熱海まで戻ってきた。

 

 景気づけにお酒を飲むわけにもいかず、夜10時に指定されたビデオ会議に入った。冒頭スピーチは日本語でいいと言われたので、これは簡単。朝の会議同様、日本産業界のスタンスと取組を紹介した。他の2人のスピーチは、スライドも使ってくれなかったので、良く分からない。米国人は対中国を意識し、英国人はソフトウェアに含まれるマルウェアの話をしているらしい。

 

 モデレータからは3つの質問が飛んだ。チャイナリスクをどう考えるか・納入ソフトウェアをチェックするには・企業同士の国際連携の進捗は?せめてこの3点くらいは事前に教えて欲しかったですが、なんとか言い抜けられましたかね。大汗かいたけど。

久し振りのリアル国際会議

 先週日米産業界の、デジタル政策推進に関する「共同声明」を紹介したのだが、これは何のために取りまとめたかと言うと、今日の会合で発表することが当面の目的だった。その場所とは「日米インターネット・エコノミー政策対話」。もう12年も続いていて、大体は2日制。基本は政府間会合なのだが、そのうちの半日を官民会合に充ててくれる。

 

 例年ワシントンDCと東京で交互に開催していたのだが、昨年はさすがにオンライン。今回東京のニューオータニで、2年振りのリアル開催となった。とはいえ米国の参加者の半分くらいはリモート参加、時差も考えて朝8時からというスケジュール。用心のために前泊して、四ツ谷駅には7時前に着いた。

 

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 この駅で降りたのは、多分初めて。江戸城の遺構などの展示があって、まさに東京ど真ん中の駅と言う印象だ。会場はニューオータニの宴会場「芙蓉の間」、会議開催まで1時間ほどあるのに、同時通訳ブース・スクリーン・席次表の配布など、準備はほぼ終わっていた。

 

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 この会合は政府間では局長級会合の位置づけで、米国は国務省・商務省、日本は総務省・外務省から局長クラスが司会を引き受ける。さらに両国の経済団体、大手企業の人も加わり、短いスピーチをする。テーマは、

 

・5G時代の安全なインフラ

・国境を渡るデータの確保

・AI(利用推進)

・サイバーセキュリティ強化

・グリーン✖ICT

 

 の5点。これらの議論に先立ち、先日採択した「共同声明」の発表と、在日米国商工会が今年提言した「Japan Digital Agenda 2030:2030年のデジタル日本像」の紹介がある。テーマも盛りだくさんだし、話したい人がいっぱいいて、進行表を見るとひとりのプレゼンは最長7分、中には1分という人もいた。

 

 続々集まってくる懐かしい人たちと挨拶を交わしながら、これって3時間に収まるはずはないなと覚悟した。こういう場に初お目見えの企業もあり、会社紹介をしただけで1~2分はかかってしまう。加えて「このような場で話すことができて光栄、両国政府関係者に感謝」などと紋切型のセリフをみんなが吐く。

 

 リモートの映像が上手く出ないトラブルもあって、最初の1/3を終わった段階で遅れは決定的に。結局、ほぼ4時間の会合。それでもコーヒーブレイク(リアルではこれが重要)が短いとのクレームもありました。久しぶりに会えただけで良かったということにしましょう。

これは立派に「歴史決議」

 米国の病理の中で、やはり一番根深いものは人種差別。特にアフリカ系アメリカ人に関するものだ。「COVID-19」禍であっても「Black Lives Matter:BLM」運動は衰えを知らず、これに関連する事件も後を絶たない。昨年もウイスコンシン州ケノーシャで行われていた(白人)警官の暴力に反対するデモの最中に、悲劇が起きた。

 

 デモに対して当時17歳だった白人青年カイル・リッテンハウス被告が、AR15を撃ちかけ2名を射殺、1名を負傷させたというもの。この度その一審が終了、評決は「正当防衛による無罪」だった。恐らくは陪審員裁判だったのだろうが、どういう経緯でその結論が出たのかには興味を惹かれる。AR15などの半自動小銃が護身用の武器であるはずはなく、最初から殺意(に近い何か)を持って被告は現場に行ったはずだ。

 

 被告は評決に泣き崩れたと言うが、極右や銃器至上主義者からは「若き英雄」ともてはやされているとも聞く。当然デモ参加者やアフリカ系市民にとっては許せない評決であり、反発も強まっている。

 

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 一方、55年前の裁判に関し、終身刑を言い渡されていた名の囚人(いずれも仮釈放済みで、一人は故人)に対し、有罪判決を取り消す決定も成されている。その事件とは「マルコムX暗殺」。

 

マルコムX氏暗殺、2人の有罪取り消し 判決から55年 - BBCニュース

 

 先鋭的である意味暴力的だった黒人解放運動家マルコムXが、ハーレムで射殺されたのは1965年のこと。家族の目の前での事件だったというから、目撃者はいたはずなのに真犯人を取り違えたことになる。実は今年の2月に、遺族が新しい証拠を提出し再審を求めていた。その証拠によれば、警察当局の関与があったという。

 

 この時期、米国では大物の暗殺が相次いだ。ケネディ大統領、ケネディ司法長官、キング牧師、そしてマルコムX。例えば大統領暗殺は、警察・検察が主張するオズワルド容疑者の単独犯行とはとても考えられず、すべては2039年に明らかになるとされている。

 

狙撃手は3人いた - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 今回の「決定」が新しい証拠による警察当局の関与を認めた結果ならば、これは歴史上の重要「決議」である。いろいろ批判される米国の三権分立だが、この事件を55年ぶりに明らかにするならまっとうな制度と言えよう。ねえ、習大人。これこそ「歴史決議」ではないですか?

大戸屋さんの方が僕は好き

 世の中にはいろいろな調査・ランキングがあるけれど、あまりにもマニアックなものも目立つようになった。だから大半は無視するのだが、今回は面白いものが見つかった。それは「定食チェーンランキング」。

 

大戸屋が最強か?いま食べたい人気の「定食チェーン店」ランキング - ページ 2 / 2 - TRiP EDiTOR

 

 多彩なメニューとリーズナブルな価格の定食チェーンについて、「一番好きな定食チェーン」を選んでもらったもの。ここでは1~5位にランキングしたものが紹介されている。

 

5位 吉野家

4位 やよい軒

3位 すき家

2位 大戸屋

1位 餃子の王将

 

 あれれ、牛丼チェーンが2つ入っている。これらが定食チェーンと言えるかどうかは微妙だが、確かにメニューを広げて「業容拡大」を計っている。低価格だし、そこそこのお味なので利用者も多い。

 

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 「やよい軒」は間違いなく定食チェーンだろうが、首位に輝いた「餃子の王将」がそうかといえば、ちょっと疑問符がつく。僕からすれば、やはり定食チェーンランキング首位は「大戸屋」であってほしい。「餃子の王将」も何度か通ったのだが、定食が1,000円クラスになると、魅力が薄くなった。食べた後の餃子の匂いを、家内が嫌ったせいもある。

 

 1,000円クラスの定食となれば、やはり「大戸屋」に足が向く。写真は、最近用事が増えた秋葉原駅前で見つけた店舗。駅前のビルの4階にあって、席からは総武線の電車がすぐそこに見える。この日は13時を廻って入店したのだが、ほとんどの席が埋まっていた。注文したのは「これだよね~」と以前から思っている「焼き鯖定食」。

 

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 これでご飯は大盛り、今回は白米(五穀米も選べる)にした。薄い味噌汁と漬物はいつものもの。メインのお皿はほうれん草のソテーと大根おろしが添えられている。肉厚な鯖の片身が、こんがり焼けた皮と共にいい香りをさせている。

 

 醤油をたらした大根おろしを、ある種のソースのようにして鯖を食べた。うーん、焼き魚は美味しいよね。このお店は揚げ物、炒め物、牛・豚・鶏もいいのだが、やっぱり魚を食べたたくなる。もう一度いいますが、大戸屋さんが定食チェーンでは一番だと思いますよ。

かつ丼対決(松のや・かつや)

 輸入牛肉その他の原価UPで、牛丼チェーンでは値上げラッシュ。とはいえ、僕の学生時代でも牛丼は400円はしたから、適正価格とも言えるだろう。それに比べれば、ラーメンは値上がりしたなと思う。家系ラーメンのお店など普通に700円以上する。「富士そば」がワンコインラーメンを出しているのが、例外のように思える。学生時代の記憶では、決して500円はしない。多分300円くらいだったように思う。

 

 もうひとつ、昔は高値(といっても500円くらいだが)の華だったが、今も値ごろ感があるのが「かつ丼」。ごちそうだとの記憶がある上に、刑事ドラマの取調室で、

 

「お前の気持ちもわかる。しかし罪は罪だ・・・。吐いて楽になれ。かつ丼、食うか?」

 

 と人情刑事が容疑者に言うシーンが印象に残っている。実際にそんなことはなく、現在では「容疑者買収の疑いを掛けられるからNG行為」と聞いた。

 

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 そんな「かつ丼」、今週たまたま2度味わう機会があった。最初は週末、例によって茅ヶ崎のBook-offに行った帰り、松屋フーズの「松のや」で食べた。街の人出は2ヵ月前から変わらない。店も昼過ぎというのに、そこそこ混んでいた。注文したのは「ロースかつ丼」590円なり。以前は550円くらい、あるいはもっと安かったかもしれない。味噌汁も付いて、肉厚なとんかつと卵のとじ加減はさすが。美味しくいただいた。クーポン券は、キャベツやポテトサラダなど70円ほどのサイドメニューが無料になるもの。まあ、くれるというならいただくが、無くても十分満足できる。

 

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 次は東京でのイベントに出かけた帰り、新橋駅前の「かつや」に寄った。ここも人出は多い。夜は特に多いと聞く。まあ、活気が戻って良かったね。7割がた埋まったカウンターに座り「かつ丼・梅」を注文した。539円なり。ここは頑固に「税抜き490円」を守っていて、しかも100円引きクーポンをくれるので、実質439円。なかなか豪儀である。味噌汁は付いていないが、丼そのものは「松のや」のものに劣らない。お値段含めて、6対4で「かつや」優勢と思った。

 

 「かつ丼」というごちそうを、50年近く前の値段に保ってくれている「チェーン店」は本当にありがたいです。デフレを白眼視しますけれど、供給サイドの努力をもう少し買ってあげてもいいのではないでしょうか。