懐かしい店「Picard」
「Marzac7」での会食の日、懐かしい街だったから中目黒駅周辺を少し歩いた。住んでいたのは駅から山手通りから目黒方面に行ったところだったから、駅から逆方向の池尻大橋の方にはあまり行ったことがない。「銀座メガネ」でメガネを作り直したくらいしか、記憶がない。
少し歩いたところに「Book-off」の店舗があった。こんなところにあったのかと驚いたが、ほとんど売る商品を置いていない「買い取り窓口」だった。さらにうろうろしていると、コンビニなどと並んでライトブルーの光がまぶしい小型店舗があった。氷の結晶をタテに半分にしたトレードマーク、「Picard」である。
https://nicky-akira.hatenadiary.com/entry/2019/11/01/150000
10年以上前、最初にパリに行ってアパルトマンに滞在した時、食料品の供給源としてすごくお世話になった店だ。ブレゲ・サバン駅の上にあるアパルトマンで、「バスティーユの市場」が2回/週開催されるのはいいのだが、普段の食料はコンビニよりちょっと大きい程度のスーパーマーケットに頼っていた。
しかしその付近で「Picard」を見つけて、その高級食材に驚いた。特に全面にコショウをまぶしたペッパーステーキ(の冷凍)を買ってきて、簡易キッチンで焼いて食べた。その美味さは忘れられない。その時、肉にコショウをふんだんにかけることを学んで、今でも実践している。
日本で見つけたのが嬉しくて入ってみようと思ったのだが、これから会食にいくわけだし買い物をするわけにはいかない。今度、時間を見つけてやってこようと決めた。Webサイトを見ると、都内23区を中心に15店舗ほどがあるようで、通販もやっている。「食卓を楽しむ」ことがこのチェーンのモットーだとある。いかにもフランス人(パリジャン?)らしい人生観である。
本家のパリは「年金改革」でデモやストライキの嵐が吹き荒れているようですが、日本でパリの真髄が味わえるならわざわざ行くこともありませんね。
NACDハンドブック公開セミナー(後編)
「経営会議でサイバーセキュリティを取り上げる頻度は?」との質問に対して、挙手の状況は、
・毎月 ⇒ ナシ
・3ヵ月に一度 ⇒ 少々
・6ヵ月に一度 ⇒ その倍くらい
・1年に一度 ⇒ さらにその倍くらい
・わからない ⇒ 同上
だった。2年ほど前、ネット企業の役員に聞いたところ、「経営会議の最初の議題はサイバーセキュリティ、最長の議題もそう。だから私は大変なのだ」と言っていた。参加者の中にはそういう企業もいたはずだが、参加者が知らないのかこういう場で目立ちたくなかったのか、どちらだろう。
説明者はハンドブックの特徴を挙げて、
・薄い (30ページ余だが、本当のコア部は10ページちょっと)
・専門用語が全くない (実際その通り、デジタルに暗い人でも読める)
・取締役が会議で質問するべきことを示している
最後の点が一番重要、世の中に「セキュリティ本」は一杯あるのだが、技術的な説明ばかりだったり対策の方法論が延々述べられているものが多い。株主の代理人であり企業の執行を監督する立場の取締役は、技術や対策の「答え」を言うのではなく、適切な質問を取締役会で発するべきなのだ。
最後に「経営者がおこなうべきサイバーセキュリティ対策」と題したパネルディスカッションが行われ、ハンドブック日本語版を監修した弁護士、大手コンサル企業のTOP、経産省の課長が登壇した。モデレータが用意した質問は、
・守らなくてはならないものをどう決めるか?
・変化するリスクにどう対応するか?
・自社のセキュリティ力をどう見て、発信するか?
だった。自社の事業でこのような点を、ハンドブックを見て改めて考えてもらおうという意図と思われる。特に最後の「発信」が重要で、日本企業は「情報発信」が苦手、悪く言えば「隠したがる」傾向にある。
講演の中で経産省の人は、ノルウェーの金属会社の例を挙げ、資料を広げて意見を戦わせトライアルをしている復旧課程をそのまま映像配信した結果、株価の下落は最小限になったと言っていた。弁護士先生も「説明責任」という言葉を何度か使っていたし、この流れでいくと今度は「情報開示」がテーマになりそうだ。
社外取締役はもちろん「社外」の人だから、彼ら/彼女らに説明することができれば、株主や市場にもできるはずですからね。
NACDハンドブック公開セミナー(前編)
サイバーセキュリティは、一部専門家のものと思われていた時代が長い。しかしここまで社会全体がデジタル化されていて、さらにデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めないと国際競争に勝てないと言われるようになると「専門家」のタコツボに閉じ込めておけなくなってきた。
専門家を雇って対策を講じてもらうのはいいとして、経営者が全く理解できずにいるとある日操業停止!お客様ともども倒産・・・なんてことにもなりかねない。だから経団連では「サイバーセキュリティは経営課題」と連呼して、昨年は「経団連サイバーセキュリティ経営宣言」を公表している。
さらに10月末には、全米取締役協会(NACD)とInternet Security Alliance(ISA)が出版している取締役向けのハンドブックの日本語訳もサイト上に公開している。
https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/11/08/060000
このハンドブック日本語版はダウンロードフリーだから、別の業界団体の会合でも簡易印刷で配布され政府からの来賓が「私の申し上げたいことはこの本の内容に近い」と重ねて紹介したくらいだ。
https://nicky-akira.hatenablog.com/entry/2019/11/27/140000
いろいろなところで利用・引用などされるのはいいとして、経団連本体はどうするのかなと思っていたら、「サイバーセキュリティハンドブック公開記念セミナー」をするとの案内が来た。こういうものは、公開・出版すれば済むものではない。どうやって使うか、使ってもらうかというプロモーションが重要なのだ。
経団連会館の2階ホールに、250人近くは集まったようだ。NECの遠藤会長(経団連サイバーセキュリティ委員会委員長)の開会挨拶の後、経産省と情報処理推進機構(IPA)から最新の情報を含んだ講演があり、続くハンドブックの説明は、米国関係機関とも親交深いNTTのCISOだった。彼は説明の前に、
「年間何度、経営会議・取締役会議などでサイバーセキュリティのアジェンダを取り上げますか?」
と聴衆に質問した。ちなみにNTTホールディングス自身は、3〜6ヵ月に一度くらいだとも言い添えた。
<続く>
懐かしい街「サカエチカ」
昨年末名古屋へでかけた出かけた時、ちょっと立ち寄ることができたのが「サカエチカ」。名古屋という街の中心地はJR名古屋駅前ではなく、そこから地下鉄で2駅東に行った栄駅周辺だった。100m道路が交差し、当時の高層ビルが立ち並んでいた場所だ。地元の名古屋鉄道などは、ここが始発の線路(名鉄瀬戸線)まで運行していたほどだ。
名古屋という街は、夏暑くて冬寒い。できれば街中を歩きたくないという時期が東京などより多いのだ。大学時代東京の大学から移ってこられた教授と呑んでいて、
「名古屋はだめだ。みんな地下を歩いている。東京・大阪は地上を人が歩き、商業が栄え発展していく。名古屋は発展しない」
となぜか関西風のイントネーションで聞かされ続けた。その真偽はともかく、名古屋の中心街栄には、「サカエチカ」という当時の基準からすれば広大な地下街が広がっていた。今回通り掛かってみると、この地下街が開業50周年を迎えたという。
地上に出れば暑くて寒い。当初防火帯として設計された100m道路も、クルマの街名古屋では渋滞を起こしていて煤煙が舞っている。だから人は地下に逃げ込んで、休憩し食事をし、ショッピングを楽しんだ。それは周辺の大きなデパートや老舗店が家電量販店・ドンキホーテなどにとって替わられても変わっていない。
広い地下街の中心になっているのが「クリスタル広場」、100m道路の交差点下に設置されていて、三越・マルエイといったデパートに直結している。だたデパートという業態が時代遅れになりつつあるのか、テナントも様変わりしていて、マルエイは1フロアが100円ショップ「ダイソー」、もう1フロアが古本「ブックオフ」になっている。
「クリスタル広場」は昔から待ち合わせの定番、僕も何度かここで落ち合って呑みに行ったことがある。名前の由来は「キラキラ輝く広場」ということだから、今回は冬の装いで雪をイメージしたイルミネーションが輝いていた。
ただ50年前と様変わりしているのは、ここで待ち合わせをしている人たちの方。スマホをかざして記念撮影している人たちの言葉が、日本語ではない。時節柄韓国語は聞こえない。もちろんメジャーは中国語・・・。懐かしくはあったのですが、こんなところまで「オーバー・ツーリズム」かとちょっと複雑な気分になりました。