Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ロボットとの共生に向けて

 

 人工知能(AI)が囲碁のチャンピオンに勝つような進歩を遂げ、自動車の自動運転(これで本当の自動車?)が実用に近づいている今、ロボットが市民生活に普通に関わる日も遠くないように思われる。どの分野の技術革新でも起こることだが、法整備はあとから付いてくる。20年以上前からロボット技術者は「ロボット基本法」が無いことを憂えていた。
 
 ロボットの試作品ができたとする。街中を歩かせて、運悪く人にケガをさせてしまった。これを裁くのは、PL法なのか道路交通法なのか?ロボット製作者の責任はどうなるのか?恐ろしいので、頑丈な建物で上からワイヤーで吊るした実験場でしか歩かせることができない。万一コケたらと危惧するゆえ、高度な制御システムの実験以前に物理的安全性の確保をしなくてはならず、そちらに研究費の大半が消える。
 

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 SF作家としてもミステリー作家としても有名な才人アイザック・アシモフが、ロボット三原則を唱えたのは「私はロボット」の中(1983年)。
 
 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
 
 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
 
 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
 
 先日つくば市に行く機会があった。ここは研究学園都市であって、筑波大学だけでなく国の研究機関も集積している。つくばエクスプレスが通って、都心からは近くなった。ここで見つけたカンバンがこれ。現状では、ロボットさまがお通りなので気をつけてねと注意喚起している。
 
 こういうのも一部とか特区だけの話ではなくなりつつある。介護ロボットなど1,700自治体全部で使いたいはずだ。ロボット基本法から関連法規、施行令、施行規則の整備をはじめるころあいだと思う。