先週、通信大手KDDIの通信障害が長引き、広範な社会活動に支障が生じた。ただ単に、<au>の携帯電話がつながらなかったという話ではない。確かに携帯電話が使えないというのは、現代人にとって大問題。あまりスマホ依存していない僕でも、「通信サービスがありません」というメッセージを見ると困ってしまう。
・家内からのSMS返信がこない
・<P*yP*y>が使えない
・付近のMAPが見られない
ことになってしまう。しかしそれ以上に、通信基盤の障害は、困った事態をもたらす。今回は、
KDDI通信障害、生活基盤に影響 7~9時ごろ復旧めざす: 日本経済新聞 (nikkei.com)
にあるように、金融・交通・物流・電力・製造・サービスなど広範囲に問題が広がっている。
再三、重要インフラへのサイバー攻撃への対処を進めましょうと申しあげているのだが、実は悪意を持った攻撃よりは故障や事故で重要インフラが停まることの方が多い。ある企業のリスク管理責任者と話していると「サイバー攻撃は一要因、故障・事故・自然災害・パンデミック等々リスク要因が他にもあり、その対処についてはかなりの部分が同じ」と教えてくれた。
いかなることがあっても、企業の事業継続に欠かせない情報システムなどを止めないというのが、当該部門に託されたミッションなのだ。現代のように複雑にからみあったサプライチェーンで成り立っている産業界では、思わぬ小規模企業が停まっただけで社会に混乱をきたすこともあり得る。
例えば自動車業界では、中越沖地震で点火プラグのメーカーが被災したり、東日本大震災で自動車用半導体工場が操業できなくなったりして業界全体が苦境に陥った。垂直統合型の製造業でさえこうなのだ、水平分業型のインターネットエコノミーなら、もっとリスク要因は多く、万一の場合の影響は大きい。
僕自身は、小規模な企業であろうとも、その社会的責任を果たすためには事業継続のための<Resilience向上>を図るべきだと考えている。
次のリスクへの勉強材料? - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)
のように、東日本大震災の時の教訓をまとめた書も読んだが、日本の現場力は凄いよに留まっていて、事前準備の必要性がいまいち感じられなかった。イザとなれば強い・・・だけではなく、イザという時の準備もしていますよと言ってほしいものです。