共産党一党支配の国中国や、王政支配の国サウジアラビアでは話題に上らないが、曲がりなりにも民主主義を掲げる国では「支持率」と「選挙」は政権の最大関心事である。強権国家といわれるロシアでも、プーチン大統領は支持率を気にしている。
民主主義国家の最近の傾向は多党化で、純粋小選挙区制の英国ですらその傾向がある。米国でも、共和党の中がトランプ党とそれ以外に分かれている。民主党は中道から極左まで幅広い。そんなわけで、各国の政権政党はコアな支持層を大事にし、そこだけに受ける施策を打ち出す傾向にある。
典型的なのがトランプ政権で、2021年の国会議事堂襲撃事件で訴追されるなどした熱狂的な支持者らを救済する基金の設立を提案している(*1)。こんなことがまかり通れば、人が亡くなる事件を起こしても恩赦され、あげくカネまで貰えることになってしまう。

イスラエルはもっとひどい。ガザでの殺戮、レバノン侵攻はもちろん、ヨルダン川西岸地区での侵略が凄まじい。ガザ地区に向かった欧州人主体の団体が運営する支援船を乗っ取り、活動家たちを屈辱的な目に遭わせてこれをSNS発信しているのは、極右政党のベングビール国家治安相である(*2)。
正直暗澹たる気持ちなのだが、これらより罪は軽いとしても、日本でも似たようなことが起きている。「世論を二分する政策課題」なのかどうかは知らないが、国旗損壊罪の議論がだいぶ煮詰まってきた(*3)。正直どうでもいいような話で、経済対策や給付付き税額控除、ホルムズ封鎖問題など、もっと政府与党として取り組むべきことがあるだろうにと思えてしまう。
結局「コア支持層を固めて選挙に勝つ」ことが政治の目的化していて、まさに堕ちた民主主義の実態ということなのでしょう。
*1:トランプ氏主導の「支持者救済」基金に与野党批判…税金2860億円投入案、「自分自身への恩赦狙っている」見方も : 読売新聞