米中首脳会談から10日ほど経って、不思議な報道がひとつあった。表面上にせよ和気あいあいと進んでいた会談中、習大人が激怒して日本(高市政権)の防衛力増強を非難したという。これに対しトランプ大統領は「北朝鮮の脅威などに備えるため、やむを得ないのだ」と擁護したらしい。
習近平氏、高市首相に言及し激高…中国外務省は否定 : 読売新聞
これは英国<Financial Times誌>の報道だが、中国外務省は「事実と異なる」と否定しているし、米国も公式見解を出していない。さらに、その後この種の報道は引用されることもなく消えていった。
1)習大人が怒って日本を非難したのは事実か?
僕なりに考えると、その可能性は3割。G2でやろうぜと言っている時に、間に挟まった第三国のことは、台湾を除けば言及する必要などない。もし本当にそういったのだとすれば、正直腹に据えかねていて言わずにはいられなかった・・・つまり日本の軍拡は彼にとって大きな脅威ということになる。

2)事実ではなかったとすると、誰の捏造?
一つには米国政府、米中首脳会談では劣勢が伝えられた大統領を擁護するため、「怒った習大人を冷静になだめた」「日本の立場をちゃんと説明した」との印象操作をしたというもの。まあありえなくはないが、そんなことをしても米国市民もトランプ本人も喜ばないだろう。
もう一つあり得るのは、第三国の工作。冷え込んでいる日中関係を決定的にしたい国ってどこだろうか?情報の出元が<FT誌>であることを考えれば英国。中規模国連合を主張する英連邦の国カナダやオーストラリア等も、日中は切れている方が嬉しい。欧州は微妙、インドにも積極的な動機は考えられない。紛争当事国のロシア・イスラエル・中東各国も、別に日中関係を気にはしないように思う。北朝鮮はサイバー犯罪で外貨稼ぎに忙しくて、日本のことなど歯牙にもかけていない。では韓国は?やはり日中離反が目的になるような動機は思いつかない。
ここまで考えて、もうひとつ大事な国があったことを思い出した。それは日本。まさかとは思うのだが、中国を巨大な敵に見立てて防衛費増を市民に納得させようというなら、考えられなくもない。
まあその目的はともかく、日本政府にそこまでの発想と工作能力があるというなら良い話だと思いますが・・・。