Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

首班指名投票の革新を求む

 夏の参議院議員選挙から、随分時間が経った。長引く政治空白に有権者としては「意思は示したんだ、早く行動に移ってくれ」と言いたくなるだろう。しかし現実には、自民党内のコップの中の権力争いにようやく決着がついた段階。衆参とも少数与党であるし、公明党の去就も微妙であるから、まずは連立協議・連携協議をしないと、首班指名臨時国会も開けない。

 

 もし公明党が連立離脱などということになったら、首班指名の行方も定かでなくなる。野党側からすれば、有権者アンケートで望まれた政権交代が、現実味を帯びてくる。これ以上ない好機を党利党略で見逃せば、有権者の反発を受けるのは必定である。そこで、

 

立民・安住氏、首相候補を野党一本化「期間限定の内閣を」 - 日本経済新聞

 

 のような動きが出てくるわけだ。

 

もう栗がなる季節である

 ただ、まだまだ自民党は強い。野党も幅広くて、これまでの与党以上に連携が難しい。そこで本気の政権交代を目指すなら、臨時国会冒頭の首班指名投票で、

 

・最初の投票から、野党全部「党議拘束」を外す。議員個人が推したい人の名を書く

・恐らく最大得票は「高市早苗」だが、2位は野党の誰かになる

・決選投票では、2位になった人に全野党が投票する

 

 とすれば、理論上は政権交代ができる。第一回投票を、勝てる候補を焙り出す「野党内の予備選」に使うのだ。

 

 この方式にヒントをくれたのが、自民党の麻生副総裁。報道によれば、自民党総裁選の決選投票では「第一回投票で、最も地方票が多かった候補に議員票を集める」ことを指示したという。自民党員の総意を汲むのが目的で、それなりの理屈ではある。

 

 野党議員が所属などを離れ、自分を支持してくれる有権者の声を背負って、今求められる総理を全衆議院議員の中から選ぶなら、ある程度「有権者の総意」を汲んだことになるだろう。いや、与党(自民党)も党議拘束を外してくれたら、もっとドラスティックなことになるだろう。例えば石破議員は、親交深い「野田佳彦」に投票するかも知れない。

 

 そのくらいのことをしないと、失われた政治への信頼は取り戻せないように思うのですが。