Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

自民党こそが「分断」されている!

 自民党総裁選で高市候補が勝ったのは、正直予想外だった。総裁選中に連立相手の公明党斉藤代表が、名前を出さないまでもかなり強烈に「高市No!」を主張していた。極めて温厚な政治家である斉藤氏の発言だったので、自民党は「高市総裁なら、連立拡大どころか、自公連立も危ない*1」と認識したと僕は思っていた。

 

 ところが過去に「(防衛関連法改正で)公明党はガンだった」と正直に発言したこともある麻生最高顧問の差配で、高市総裁が誕生した。そして党役員人事を見ると、副総裁に返り咲いた麻生氏の息のかかった人物や、旧安倍派の裏金議員が並んでいる。政治評論家も「ここまで徹底的にやるとは・・・」と驚きを隠さない。総裁選ですべての候補が「党内一致結束するため」と唱えていた念仏は、全く考慮されなかった。

 

    


 日本社会の問題点は、僕が社会人になったころからは全体的には豊かになっているのに、さまざまな「分断」が大きくなった点にあると思う。

 

・高齢者を優遇し過ぎとの世代の分断

・格差を生んだとされる正規/非正規の分断

・激しさを増す生活保護/外国人バッシング

 

 等々で、本来それを是正するための国会が、憲法/皇室/ダイバーシティ原発/防衛力/財政などで分断されている。そして今回はっきりしたのは、幅広い政党だった自民党の中で分断が顕著になったこと。石破政権発足時もある大臣が「これからは主流派だ!」と叫んだが、主流/非主流の差が大きくなっていたのだろう。

 

 2016年の米国大統領選挙で、民主党予備選が激しかったことを思い出す。ほぼ社会主義者のサンダース候補が本命クリントン候補に迫り、民主党内の分断を感じさせた。一方共和党は混とんとした中から、泡まつだったトランプ候補が生き残った。民主党内がこれほどひどく分断されていなかったら、順当にヒラリー・クリントン大統領が生まれていたかもしれない。

 

 その後米国は国内の分断を解消できず、今や軍隊は民主党首長のいる州や都市を主敵とする内戦状態になりました。自民党内の分断が、日本社会もそのようなカオスに導いていくのか?とても心配ですね。

 

*1:高市総裁びいきの<ヤフコメ>では「公明党出ていけ」の声が大きい