先月北京で開催された「抗日戦勝80周年記念式典」の軍事パレードでは、中国軍の新兵器が多数お目見えしたと伝えられる。北朝鮮のパレードは実戦に耐えないような「張り子」も見られるのだが、さすがに中国はそこまでひどくはないだろう。造船能力が米国の200倍に達するモノづくり大国であるし、経済力も世界第二位である。
ただ兵器は優秀でも、それを使うのは人間であることを忘れてはいけない。人間の方はどうなのかというと、正直不透明である。軍事評論家兵頭二十八氏は著書「こんなに弱い中国人民解放軍*1」の中で、中国は軍人の能力が低く「和」がないと述べている。

昨年1月、戦略ミサイルの燃料を水に替えていたなどの事案があり、ロケット軍の司令官が更迭された(*2)。そのほか、理由不明な者が多いが、軍の幹部が更迭されたり行方不明になることが相次いでいる。今は、2022年に定められた中央軍事委員会のメンバー7名のうち、3名が空席になっている。
中国軍幹部の失脚「習近平氏が強すぎるのが問題」 青山学院大学の林載桓教授 - 日本経済新聞
この記事は、習大人が気に入らない軍人を粛清して、軍そのものを「習主席の軍隊」にしてしまったという。人民解放軍は、独裁者の言いなりだとの主張だ。中国王朝は、一般に強力な軍隊は望まない。クーデターが怖いからだ。しかし外敵(例:漢民族に対する北方民族)があると、仕方なく軍事力を増す。外敵がいなくなれば、有力な将軍は真っ先に粛清されるのが常。
習大人としては、脅威となる外敵はまず米国だが、彼の国が混乱している今はチャンスかもしれない。本当に意のままに人民解放軍を使えるなら、台湾侵攻はあり得る。さてどうなるかを考えるに、僕は侵攻はないと思う。習大人は軍隊を掌握しきれていないし、軍人も心酔しきっているわけではない。
習大人はプーチン大統領と「不老不死」について語り合ったそうです。寿命を150歳まで伸ばして、さらに機会をうかがう・・・そういうおつもりなのではないでしょうか?