Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

金魚が死んで嘆いている4歳児

 トランプ「赤ちゃん」の暴挙については、もう話す必要もないと思っていたが、「赤ちゃん」呼ばわりは僕だけでないことを知った。ABCの人気番組司会者ジミー・キンメル氏が、カーク氏射殺事件を受けた「赤ちゃん」の過剰反応について、

 

「飼っていた金魚が死んで、嘆いている4歳児のようだ」

 

 と揶揄したのだ。ごくまっとうなコメントに思えるのだが、この発言への「過剰反応」も凄かった。ABCの放送免許を取り上げるぞと脅し、<ジミー・キンメル・ライブ!>は即日停止されてしまった。「俺様への批判は違法とみなす」と発言したとも伝えられる。

 

 人気番組なので、ABCの親会社であるウォルト・ディズニーは復活の道を探ろうとしているが、「赤ちゃん」はディズニーごと免許取り消しにするぞと凄んでいる(*1)。

 

    

 

 識者は、ABCだけでなく多くのメディアに圧力をかける行為は<憲法修正1条:言論の自由>を侵すものと批判しているが、一方で何者かがABCの支局に銃弾を撃ち込む事件も起きている。国まるごと「4歳児」になってしまった様相である。

 

 そんな中法曹界は頑張っていて、「赤ちゃん」がニューヨークタイムズを名誉棄損で訴えた訴状を、「繰り返されるトランプ賛辞もあり、85ページに及ぶ冗長なもの」として、訴状の体をなしていないと棄却した(*2)。内容について踏み込むことさえしなかった。跳ね上がりものが悪さをするかもしれないのに、毅然と棄却した勇気に感謝したい。

 

 「4歳児」はほかにも多くの訴訟を抱えているが、それらはこの問題に比べれば些末なこと。

 

トランプ大統領、10月1日の米政府閉鎖は「十分あり得る」と予想 - Bloomberg

 

 10月から始まる来年度予算が成立せず、つなぎ予算も議会上院で否決されたことから、政府閉鎖が現実味を帯びている。すでに半分以下の実行力になっている行政機能が全く失われそうなのに、大統領は他人事(議会のことだからしょうがない)の風情です。この国、どこまで堕ちていくのでしょうか。

 

*1:ディズニー幹部、放送停止中のトーク番組司会者キンメル氏と会談へ - Bloomberg

*2:トランプ氏がNYタイムズ訴えた名損訴訟、痛烈な判決で却下される 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News