Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

ゲゼルシャフトとしての自民党

 昨日に引き続き、日本の政局についてもう一言。「石破おろし」の舞台裏関連報道がいくつかあり、見るとはなしに見ていると何か時代がかったものを感じた。その原因は「党の結束」「党の分裂を回避」をと多くの自民党幹部が繰り返したこと。頭の中に時代劇のシーンが浮かんできた。

 

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 時は天下泰平の江戸中期。各藩は(トランプ)幕府からの国替えや取り潰しの沙汰に戦々恐々としておりました。比較的豊かな自由民主藩も、その例外ではござりませぬ。軍備増強や派閥解消など藩政改革に努めた筆頭家老岸田文之進は不人気で辞意を漏らし、後任の筆頭家老選びの評定は難航いたしました。

 

 結果は意外なことに、穏健派で知られる末席家老石破茂左衛門が選ばれました。石破筆頭家老は1年余り苦労を重ねて藩政改革を目指したのですが、重鎮らからの批判が強く詰め腹を斬らされそうになりました。

 

二大政党の力相撲を見たいのだが

 粘る石破家老ですが、先の筆頭家老菅義衛門と若手家老小泉進之介に詰め寄られます。曰く、

 

・今は御家の一大事、内紛あるを幕府に悟らるればいかなるお咎めがあるやもしれず

・御家の礎である家臣団が割れては、百年禍根を残すことになり

・ここは御身一身にて罪をかぶり、お腹を召していただきたい

 

 とのこと。石破筆頭家老はついに・・・

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 典型的なゲゼルシャフトである自民党(*1)は、党が割れないことを最大の目標としている。これでは二大政党を目指した政界再編など起きるはずもない。僕は常々、政策面で幅広過ぎる自民党が何らかの軸で割れて、その軸で対決する二大政党ができることを期待している。まだ維新の会に勢いがあった時には、こんな考えを持っていた。

 

まだ「影の内閣」にも早すぎる - Cyber NINJA、只今参上

 

 今となっては、このような政界再編も無理ですかね。この1~2年、市民(や野党)の目標は与党過半数割れでした。それが成った今、次に皆さんが求めるのは自民党分裂なのでしょうか?

 

*1:ゲゼルシャフトとしての政党 - 新城彰の本棚