「トランプ赤ちゃん」は、ロシア・ウクライナに自らを交えた首脳会談を調整することになった。ゼレンスキー大統領は「前提を置かず、プーチン大統領に会う」と言っているからいいが、問題はプーチン大統領である。すでに古狸ラブロフ外相が「プーチン大統領はゼレンスキーに会う予定はない」と予防線を張り始めた。
これには相応の理由がある。これまでロシアはゼレンスキー政権を正当なものと認めていない。西側の傀儡政権であり、任期切れでやるべきだった大統領選挙すら経ていないとの理屈であり、すでに「蒋介石ならぬゼレンスキーを対手とせず」と宣言済みなのだ。そんな相手と正式な首脳会談をすれば、これまでの発言は何だったのかということになる。会談の調整が進まないことにじれた「赤ちゃん」は、ならば制裁だと2週間の期限を切った(*1)。

政権の正当性についての議論は日本でもある。例えば先ごろ決まった最低賃金引上げ目標について、地方の首長からは「中小企業に負担を押し付ける悪政」と批判が強い。特に島根県の丸山知事は「選挙に負けた自公政権がやるべきことか!」と厳しく非難した(*2)。
この論理に従えば、直前の選挙に負けた政権は何もできなくなったしまう。ただ政権が衆参両院で少数与党になるのは異例なことで、こんな状態で何かを「勝手に」決められたら困るという気持ちも分からないではない。
石破政権の正当性に疑問がわくのなら、先週閉幕した横浜の第9回TICAD(アフリカ開発会議)はどうなるのだろうか?参政党の掲げた「日本人ファースト」は、必ずしも外国人排斥ではない。悪いことをする外国人は要らないということと、外国への援助を惰性で続けないでくれという意味合いが大きい。
多角的貿易体制の重要性確認 アフリカ会議、宣言採択し閉幕―インド太平洋と連結強化:時事ドットコム
会議の経緯や結果について、有識者は意義あることと言っているが<ヤフコメ>には「バラ撒きだ!」との批判が溢れた。アフリカもかつてのアフリカではなく、日本もかつての日本ではないという庶民の叫びと思われる。
正当性のない石破政権が「勝手にバラ撒きやがった」と思っている人たちに、政治はどう応えるのでしょうか?