Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

動かざること山の如し・・・にしようよ

 ロシアがウクライナとの停戦に合意するはずもなく、期限の8月8日が来て米国の対ロシア100%関税が発動されたはずだ。だが報道されるのは、インドがロシア産原油を輸入していることに対する2次関税のことばかり。インドより多くの原油を輸入している中国についても、やはり報道はない。恐らく2次関税は発動していないのだろう。

 

 その対インド2次関税だが、実際の施行は今月末ごろになるらしい。モディ政権に猶予を与えたつもりかもしれないが、モディさんは泰然自若として動かない。別の理由でだが、同じく関税50%を通告されているブラジルのルラ大統領と電話会談し、励まし合っている(*1)。

 

    

 

 以前トランプ先生が中国に100%超の関税を掛けた時、習大人は「どこまでも付き合う」として冷静に対処した(*2)。先に「TACO」ったのはトランプ先生の方である。赤澤大臣が毎週のように渡米して交渉にあたった努力を無下に否定はしないが、意味不明な「合意」を結んだ(*3)結果、まるまる反故にされる結果となった。

 

・15%以下のものは15%関税、15%以上のものはそのままという話だった

・ふたを開ければ、15%上乗せということ

・合意文書を作らなかったのは不手際だ

 

 と石破政権は責め立てられ、再び赤澤大臣が渡米している(*4)。文書にしていないというのは、外交交渉では困ったことだが、そもそも文書にしたところで勝手に破棄される可能性がトランプ先生にはある。赤澤大臣は「米国の事務ミス」と嬉しそうに事態収拾を告げたが、本当にミスなのか、今後どう出てくるかも分かったものではない。このような場合は、モディさんや習大人のように、相手にしないのが正解だと思う。

 

 武田信玄の4原則のひとつ「動かざること山の如し」。今回、石破政権にはこのスタンスでいてほしいと思います

 

*1:インドのモディ首相とブラジルのルラ大統領、トランプ関税で電話会談|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

*2:習大人の姿勢に学ぶべし - 梶浦敏範【公式】ブログ

*3:破れかぶれなのか?支離滅裂な合意 - Cyber NINJA、只今参上

*4:米、大統領令「修正応じる」 相互関税上乗せ分、遡及支払い―車下げと同時期に・赤沢担当相:時事ドットコム