足掛け25年の付き合いのある総務省のキャリア官僚が「卒業」した。最低3ヵ月は浪人中ということで、ささやかな卒業祝いをすることにした。選んでもらったお店は、日本橋駅直結三越本店の南にある「富山はな作*1」。

富山県のアンテナショップが入る<日本橋富山館>の1階にある和食レストランだ。富山県は豊富で独特な海産物に恵まれているが、清流の水も海洋深層水も有名な水どころ。当然米どころでもあり、美味しい日本酒が一杯ある。
彼とは何度もパーティで一緒しているのだが、腰を据えて飲んだことは一度も(多分外国でも)ない。そういえば出身地なども聞いたことがない。まだ明るい18:30にメンバーがそろってスタートすると、相棒が彼の経歴を調べていて、相棒の連れ合いの先輩だということが分かった。

前菜5点盛りは、左下からローストビーフ、バイ貝の煮もの、白エビの唐揚げ、ホタルイカの沖漬け、魚の真丈である。ビールを飲みながら学生時代の話になった。僕は大学も地域も違うのだが、理系であることは同じ。学生時代の研究室が、医療デジタル系という共通点がある。

お造りは、富山湾のオールスターキャスト。いずれも一仕事してある、鰤・鰆・鰹等々。これらの魚の頭肉が、前菜の真丈に使われている。これに合わせて、富山のお酒「満寿泉」を注文。今の仕事の前にもう一つ共通点があったのが、防災系。彼は実際に各地を巡り、地形の特徴や防災上の弱点などをよく知っている。大阪平野は戦国時代までは巨大な河川敷、大阪城のあるところだけが台地だった(*2)。
地形の話と言えば、富山湾はとても深い海。黒部川は欧州人から見れば「滝」だよと応じて、そのまま絶壁が湾中に向かうから深い、ゆえに深海魚が獲れるなどと話し合った。

〆のご飯は、鮭わっぱめし。とびっこのアクセントが効いているし、味噌汁のおぼろ昆布がいい味。全く今の仕事の話はできませんでしたが、これが最後というわけではないからいいですよね。新天地が決まったら教えてね、また一緒にできることがあったらと約束して会食を終えました。美味しくて、友情も温められたいい食事でした。