Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

9月2日の制裁関税、困るのは?

 ずっと「トランプ関税砲」の射程外だったロシアに、砲弾が降り注ぐことになるのだろうか?トランプ先生の機嫌を損ねると、砲弾が降ってくるようだ。今回ロシアは、再三のウクライナ戦線での停戦要求を拒否し続けた結果、この砲弾を浴びる可能性が出てきた。

 

ロシアが停戦合意しなければ「経済制裁」 トランプ氏表明 50日以内 | 毎日新聞

 

 まあ、ウクライナに領土割譲などの条件を呑ませるため、武器供給を渋ってきたトランプ政権よりはマシである。ただ、ロシアもウクライナも退くに退けない状況なので、ウクライナ市民の期待は大きくない。国際政治・軍事の専門家も、

 

・経済的に追い詰められ死傷者が100万人を越えていても、ロシアはまだ戦える

・50日と猶予を与えたので、抜け穴を探す時間がロシアにはある

 

 などと、この効果には懐疑的だ。

 

    

 

 ただ、僕はこの50日に意味があると思う。考えれば「停戦しないと関税100%」などという脅しは、正式発表の数日前に言っていた「重大発表」といえるかが微妙だ。なぜ14日の発表でなくてはならなかったのか?なぜ(切りのいい数値とはいえ)50日の猶予だったのか?

 

 7月14日の50日後は、9月2日。ここから逆算しての、発表だったのではないか。9月2日の次の日には何があるのかといえば、中国習政権が満を持して行う「抗日戦争勝利記念日」の80周年イベントがあるはず。ここにはトランプ先生も、プーチン先生も呼ばれていた。米中ロの三大国首脳が集まり、これからの世界情勢を決める「第二次ヤルタ会談」になるかもしれなかったのだ。

 

 ロシアが停戦に応じなかったとして、トランプ先生が(TACOと言われず)約束を守ったとして、習大人がイベントを延期しなかったとして「第二次ヤルタ会談」は成立するだろうか?

 

 トランプ先生が参加するとしても、100%関税をかけられたプーチン先生は参加できるのか?ロシアから石油など買っている中国にも「2次関税」がかかるので、習大人はニコニコしてトランプ先生を迎えられるのか?

 

 「抗日戦争勝利記念日」を人質に取る期限設定だったとしたら、これはよく練られた作戦だったと感じます。