最後に米国東海岸、ワシントンDCへ行ったのは2019年。その後「COVID-19」禍が来て、僕自身も国際会議などの重い担当からは退いて、彼の国の首都とは疎遠になってしまった。かつて春夏秋冬、年に4回ほど通っていた街はすっかり変わってしまったようだ。
その直接原因はトランプ2.0政権の誕生(&暴挙)。イーロン・マスク氏がDOGE省を率いて連邦政府の予算や職員をカットした。解雇された職員総数は26万人に上るという。このすべてがDC住人ではないだろうが、人口70万人弱の特別区にとって大きなインパクトである。
彼らがいなくなるか、少なくともレストランなどを頻繁に利用しなくなったことで、街に大不況がやってきた。
「DOGE不況」米首都直撃 大量解雇で飲食店4割廃業危機 不動産も落ち込み - 日本経済新聞

ニューヨークなどと違いコンパクトな街で、確かに物価は高かったが法外に高いという印象はない(*1)。もちろんロビイストなどが常用する高級レストランに行ったことは(国際会議のパーティなどを除き)ないのだが・・・。
利用客がいなくなるということは、そこで生活していた人たちの雇用が奪われる。2つ「大変だろうな」と思ったことがある。
1)意外とアフリカ系市民の比率が高く、全体の5割ほど。これは全米で15%程度という比率からは飛びぬけて多い。彼らの多くはエッセンシャルワーカーで、しわ寄せが早く来る。
2)ホテルや飲食店で働く人の収入は、最低賃金の規定よりずっと多い。それはチップというものがあるから(*2)。彼らの収入も当然激減する。
この2つの市民層はかなり重なっていて、生活できなくなる人が増えるだろう。恐らくもう行くことはない街だが、荒廃してしまうのは残念です。トランプ先生としては、市民の90%が民主党支持というこの特別区の住人など、どうなってもいいのかもしれませんが。
PS:その後、国務省職員1,300人規模で解雇とのニュースもありました。まだまだ震源地のリストラは続きますね。