日本の参議院議員選挙でも、各党この3つについて自らの正当性を必死に訴えている。どんな政治家も、
・社会福祉は充実させたい。少なくとも現状を維持したい
・社会保険料を含む国民の税負担は、できれば軽減したい
・かといって財政規律を野放図に緩めるわけにもいかない
と思っているはず。各国似たような状況で、今月になって英米両国で、大きな動きがみられた。
◇英国
防衛予算拡大もあって、スターマー政権の財務相リーブス氏は、社会福祉削減の予算案を提出していた。しかしこれが与党内でも問題視され、首相も日和って撤回する羽目になった。そうなると再度の<トラスショック>を回避するには、増税しかないと言われている。
リーブス英財務相、福祉削減撤回に伴う増税の必要性に言及-タイムズ - Bloomberg
労働党はかつては庶民の味方だったのだが、すでにその傾向は薄い。こうなると有権者は誰に投票していいのか?ひょっとして<リフォームUK>なのかと思わせる状況である。

◆米国
「ひとつの大きく美しい法案」が成立した。トランプ大統領は独立記念日に、署名したことを演説し意気軒高である。しかしこの法によって、富裕層は大きく減税され(続け)るが、庶民にはそれほど恩恵はなく、メディケイド・メディケアなどが削減され貧困層は医療から見放されかねない。減税財源には各国からの輸入品に課す関税収入も(すでに)入っているし、加えて財政赤字も大きく増える。
1000万人以上が医療保険を失う...トランプの「大きくて美しい」減税法案のツケとは【風刺画で読み解くアメリカ】|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
かつてトランプ大統領候補と蜜月だったイーロン・マスク氏は、特に財政赤字に対して猛反発している。彼は法案成立と同時に(役に立たない議会を立て直すため)第三の政党「アメリカ党」を設立するための調査を実施し、設立準備に入った。
法案成立は、上院でも1票差という薄氷を踏むもの。下院では共和党内の異論を封じるため、大統領府が議員の個別面談(脅迫?)をして成立にこぎつけている。
政治はもう庶民の味方ではない・・・これが英米の実態ですね。翻って、日本はどうなのでしょうか?審判は10日後ですが・・・。