Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「ゆで太郎」大量無料券配布のわけ

 あまり利用する機会はないのだが、都内を歩いていると「ゆで太郎・もつ次郎」チェーンはよく見かける。蕎麦打ち場を公開している店もあるなど「打ちたて・茹でたて・揚げたて」のコンセプトは好感できるものだ。ただ、それゆえ提供に少し時間がかかるのが、満員にならない理由かもしれない(*1)。

 

 この朝浜町のホテルに泊まっていて、朝食場所を探した。あまり適当な店がなく、水天宮近くまで歩いてきて「ゆで太郎」に入った。選んだのは、普通にもり蕎麦と野菜かき揚げ。

 

    

 

 鬼おろしと刻み葱のほか、無料券がついてきた。かき揚げや海老天、カレールー、ワカメなどの無料券綴りである。多くのチェーン店でこの種の紙クーポンは廃止されつつある。それなのにここでは、大量の紙クーポンを配っているのだ。

 

 この時はそれ以上考えなかったのだが、2週間ほど後平河町で朝食を食べた時、やはり「ゆで太郎」がホテルに近いところにあった。クーポン券でコロッケを貰おうと思い、食券自販機の前で気付いた。

 

「あ、ここは○○Payが使えない!」

 

    

 

 例えばこれは「松屋」の牛丼、最近460円に値上がりしたのだが、PayPayで支払うと2%分のポイントが付いてくる。PayPayクーポンを使うと、5%ほどのポイントが上乗せされる。店では値引きもせず、紙クーポン管理もいらず、お客さんも嬉しい便利なシステムだ。

 

ゆで太郎」のワンコイン朝セット

 改めて「朝セット」の食券を現金(!)で買い、クーポンを添えて注文した。ミニカレー丼とコロッケ付きの満腹朝食となった。「ゆで太郎」の経営視点で考えると、○○Payとデジタルポイントは便利だが、導入コスト・運用コスト(Pay-Back?)がバカにならないのだろう。しかしお客さんへのインセンティブを考えると、何かのクーポンは必要。そこでアナログ無料券大量配布という手段になったものと思われる。

 

 食券自販機、タブレット注文、スマホ注文、セルフサービス、○○Payとポイント等々合理化の手段はどんどん進んでいきますが、このチェーンはある意味(インセンティブ面や決済面で)頑張っているようです。

 

*1:「ゆで太郎」のコスパと課題 - Cyber NINJA、只今参上