世襲国会議員に対する風当たりが強くなっている。いわゆる<地盤・看板・カバン>を相続できるので、徒手空拳の政治家志望の人たちとは大きな格差があるというのだ。現実に石破総理が商品券10万円を配ったとされる自民党新人議員15名のうち、資産公開で1,000万円以上持っていた6人は全て世襲議員だった(*1)。
政治資金については相続税が掛からないというのも、一般市民から見ればおかしな話。これでは有意の人材が政界に来ないとして「政治資金世襲禁止法案」を野党が出したこともある。家業が政治の人たちは「世襲ではない事業継承だ。オーナーとして病院を息子が継ぐのと同じだ」と言いたいらしい。

世襲銀を叩いているメディアや評論家の方でも、実は世襲があることを最近知った。今年亡くなった経済評論家森永卓郎氏は、<ザイム真理教>という言葉を編み出したり<竹中バッシング*2>の先頭に立つなど、僕らから見れば困った言論人だった。何しろ「住民税非課税世帯になれば楽しく暮らせる*3」と、事実上「Tax Eaterになりなさい」と薦めるほどなのだ。
亡くなった後も、子息の森永康平氏が父親の生前の著書など引用し、同様の論調をメディアに流し続けている。困った事業継続だと思っていたが、ある人から「ビジネスモデルの世襲だね」と言われて納得した。この親子は財務省や財政再建をとなる人たちをバッシングして、メディアに出て書籍を出し売り込むビジネスなのだ。
そう考えて、真剣に怒る気持ちも無くなりました。人間どうやって生活していくか(政治家業も含む)は、個人の自由ですからね。相手にする方がバカに思われるでしょう。
*1:15人中6人は「資産ゼロ」 1000万円超の有価証券、世襲のみ―自民新人議員の懐事情・衆院資産公開:時事ドットコム
*2:森永卓郎さんが最期まで猛批判していた“日本をダメにした”竹中平蔵の「大罪」と「インチキ」(森永 卓郎) - 2ページ目 | +αオンライン | 講談社
*3:「住民税非課税世帯」こそが最強の資産防衛策である…故・森永卓郎さんがそう説いたワケ(森永 卓郎) | マネー現代 | 講談社