おおむね1年前、まだ米国大統領選挙でバイデン候補とトランプ候補が対峙していたころ、
・バイデン候補は高齢
・トランプ候補は複数の裁判
という課題を抱えていた。ニューヨーク地裁の「不倫口止め疑惑」裁判では、全陪審員がトランプ氏を<Guilty>と判定している。このまま結審したり、他の主要な裁判でも有罪判決が出れば、バイデン候補有利と伝えられていた(*1)。結局主要な裁判が結論を出さないまま大統領選挙に突入し、大統領となったトランプ氏の裁判は現在停止中。
似たようなことが、今年は韓国で起きる。ユン大統領が反乱罪に問われて弾劾され、来月には大統領選挙が行われる。有力候補だったチョ・グク氏はすでに収監されて立候補できないが、最大野党<共に民主党>のイ(李在明)前代表が立候補を宣言し、当選が有力視されている。

ただ、このイ候補も裁判を抱えている。2022年の大統領選挙で虚偽の発言をしたとされる公職選挙法違反の裁判で、一審は有罪、二審は無罪との判決が出て、検察が最高裁に上告していた。最高裁の判断は「無罪判決破棄、高裁に差し戻し」だった。これで、再び高裁での裁判が始まる。問題はそのスピードだ。もし大統領選挙当日までに有罪判決が出れば、<共に民主党>は大統領候補を失うことになる。
李在明候補の無罪判決破棄 審理差し戻し、大統領選へ逆風―韓国最高裁:時事ドットコム
2ヵ月足らずで判決が出るかが争点になるが、すでに一度審理していることもあり「パリパリ*2」が行動様式である国だから、間に合う可能性はある。これまでの大統領選挙を見ても、米国よりひどいかもしれない分断を印象付けられている。勝てば5年間好き勝手なことができるが、負ければ忍従を強いられる人たちが選挙に血道を挙げるのだ。
地縁・血縁の強さは日本の比ではありません。日本社会を「ゲゼルシャフト」だと批判している僕ですが、より強い「ゲゼルシャフト」なのがこの国です。それでも重要な隣国であり、選挙の推移や結果には注目しています。あ、そうそう、北の首領様も注目しておられますよね。
*1:陪審員の身を案じる - Cyber NINJA、只今参上
*2:急げ急げの意味、拙速が尊ばれる