国内旅行をたくさんするようになったからだろうか、街の見方が変わってきた。現役時代そうだったように、いかに効率的に目的地に付くかで歩いていると、見るべきものが見えないのだ。その点家内はゆっくり歩きながら、地面や路傍の植物を見ている。最近僕も、そんな街歩きが出来るようになってきた。
この日は兜町付近に用があって、東京駅から歩いてきた。先日の東京旅行で都バス22番に乗って、永代橋と東京駅を往復したが、その時に通った<永代通り>。まず、新丸の内センタービルの<大戸屋>でランチ。

「贅沢ミックスフライ定食」が美味しかったが、もう販売期間終了。似たようなものはと探して「イワシフライ定食」を注文した。お米は五穀米。アジかと見まごうばかりの大きなイワシが2匹。大根おろしと梅タレを添えて食べた。揚げ物ながら、バランスの取れた食事だと自負。お腹いっぱいになって、永代通りを歩き始めた。
永代橋のこちら側は、完全な都会。ビジネス領域である。ところどころに居酒屋、外食チェーンはあるが、町全体に生活感はない。その代わり近代的なビルと歴史感一杯の建物が立ち並んでいる。東証も近いし「銀行発祥の地」との鉄の銘板もあった。そこで、こんなものを見つけた。

まずはその太さに圧倒された。当家のベランダにも10年物の樹があるが、この太さは一体何だろう。その太い幹の下部からも、続々新しい芽がでてくるほど、まだまだ生命力が強い。
京都の街を歩いていると、方々でオリーブの樹に出くわす。中には相当太いものもあるが、これはその何倍も太い。恐らく100年以上前に金融関係の近代的な建物があり、その軒先に植えられたものだろう。建物は何度か建て替わっても、守り神のようにここに残されたのだとしてら、まさに神木である。
僕自身も相当高齢になってきましたが、この樹のように生命力強く、しかし出すぎないように生きたいですね。まだまだ東京街歩き、続けますよ。