Cyber NINJA、只今参上

デジタル社会の世相をNINJAの視点で紐解きます。

「関税砲」が直撃した東アジアで

 のんびり羽を伸ばした年度始まりだったが、帰宅してみると世の中は大変なことになっていた。主原因は「トランプ関税砲」だが、韓国ユン大統領の罷免や、独立指向が顕著の台湾頼総統への中国軍の嫌がらせ演習など、東アジアも騒然としてきた。

 

 どう転ぶかわからず選挙の結果が出るまでは政治空白が続く韓国、直ぐにも戦端が開かれる公算は少ない台湾はさておき、日本の政界もまた嫌な雰囲気になってきている。「関税砲」を国難と位置付けた石破政権が、超党派の協力を得るための党首会談を開いた。

 

トランプ関税で与野党6党首が会談、石破首相「言うなれば国難」…超党派の協力呼びかけ : 読売新聞

 

    

 

 政治資金規正法改正で譲れず、減税に後ろ向きで、支持率低迷が続く石破総理である。「国難」という切り札を使って、野党を巻き込もうとしているようだ。何に・・・といえば、おそらく「バラ撒き」。「COVID-19」を国難として、膨大な補正予算を組んだ安倍政権のことが頭をよぎった。これ以上財政赤字増やして、どうするのよ!

 

 中国習政権も、台湾いじめなどしている場合ではない。日本を上回る追加関税を喰らい、トランプ先生が選挙中にいっていた「中国に60%の関税」に近い数値になっている。早速報復関税を打ち出したのはいいとして、トランプ先生は「対中国貿易赤字が解決しなければ、交渉に応じない」と言い放った。当面何らかの落としどころ・・・はまるで見えない。

 

 米中貿易戦争(実質米国対全世界の戦争)で、本当は困るのは米国国民。株価下落やインフレの兆候などで<反トランプデモ>も頻発中だ。しかし「耐え抜け、簡単ではないが最終的な結果は歴史的*1」と言って、ご本人はゴルフ三昧(*2)である。識者によると意外に気が小さいのがトランプ先生だそうだ。株価下落などの批判に目をつむるため、ゴルフに逃避しているのかもしれない。

 

 かつて「蒋介石を相手とせず」と、戦略的な大失敗発言をした日本の首相がいました。今回のトランプ先生も減るはずのない赤字解決まで「習近平を相手とせず」と言ってしまったので、もう奈落の底に落ちていくだけですね。

 

*1:トランプ氏「耐え抜け」 関税発動で国民に檄(AFP=時事) - Yahoo!ニュース

*2:トランプ氏、平日からゴルフ 株安どこ吹く風―米:時事ドットコム