飛鳥山の北には石神井川が流れている。その北も丘陵地、ひょっとしたら古墳だったかもしれないところに王寺神社がある。これが東京十社巡りの2社目である。キャッチフレーズは「開運除災・子育て大願」、十社のうちで最も北に位置する。
石神井川は小平市の湧水が源流で、東京を横断して北区までやってくる。そこで隅田川にそそぐ25kmほどの川だ。僕は小平の源流は知っていた(*1)のだが、ここまで来ていることは知らなかった。かなり下流の方だが、川幅は狭く渓流のようだ。川の名称も、ここだけは音無川というらしい。サクラは飛鳥山公園のものより開花が早く、見ごろだった。

川沿いの公園から、階段を登ってゆくと「王子神社」がある。多くの高齢者が苦労をしながら登っていくのについて、僕らもゆっくり登った。振り返れば川沿いのサクラが違った角度で見られる。イザナギのミコト以下5大神を<王子大神>と呼び、紀州熊野由来の大神としてこの地にも祀られている。

徳川幕府は初代家康がこの神社を庇護し二百石を与え、3代家光・5代綱吉が社殿などを寄進していった。8代吉宗は紀州由来のこの神社を特に愛して隣接する飛鳥山に桜を植えたともいう。多くの建造物はWWⅡの戦災で失われたが、後に再建されている。
拝礼の後200mほど石神井川を遡り、音無さくら緑地まで行った。ここのサクラはまだまだだが、飛鳥山方面に戻るときに立ち寄った醸造試験所跡地公園では見事に咲いていた。保育園の子供たちが保母さんに連れられて散歩していた。幼児も高齢者も「ディケア」を楽しんでいた。

帰路は都電荒川線(現在は東京さくらトラムというらしい)に乗って、JR大塚駅まで出ました。初めて乗った東京最後の市内電車、なかなか良かったです。東京で花見・・・のハイライトでした。